尾上右近「歌舞伎役者の家じゃないから…誰よりも勉強しないと」
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「型が決まっている歌舞伎はセリフをほぼ観客に向かってしゃべるけれど、現代劇は相手と向き合う。歌舞伎では感じられない、会話の重要性と難しさを実感しました」

 

昨年末に新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』での好演が話題を呼んだ歌舞伎界の新鋭・尾上右近(27)。「新しい年もチャレンジングな1年にしたい」という言葉どおり、次に挑戦するのは、現代劇。’17年放送のNHKドラマ『この声をきみに』のスピンオフ舞台『この声をきみに〜もう一つの物語』(大阪公演/3月6〜8日、サンケイホールブリーゼにて。東京公演/3月12〜22日、俳優座劇場にて)だ。

 

本作は、ある朗読教室に集まり、声で心を開放していく人たちの交わりを描く心温まる大人のラブストーリー。専門外のジャンルにも果敢に挑む姿が頼もしい。

 

祖父と父は六代目・七代目清元延寿太夫。清元という古典音楽の宗家に生まれた右近が、歌舞伎役者を志したのは3歳のとき。初舞台は7歳、そして12歳で二代目尾上右近襲名と、彼は歌舞伎の道を邁進していく。

 

「お稽古とか歌舞伎の世界のことに没頭しすぎてあまり友達ができなかった(笑)。学校も早退したり遅れていったり。そんななかでもできた何人かの友達は今でも仲よしで、公演を見にきてくれます」

 

取材で語ったふだんの生活ぶりからも、勉強熱心な一面が垣間見える。

 

「歌舞伎の資料に囲まれて生活するのが、めちゃめちゃ好きですね。歌舞伎役者の家じゃないから、自分で勉強しないと勝ち目がないので。僕の部屋は3面にぎっしり歌舞伎関連の本が並んでいます。地震が起きると心配だから、寝てるときに揺れたらすぐ飛び起きて倒れないように押さえる(笑)。基本的には純粋に歌舞伎が好きなオタクなんだなぁと思います」

 

自らの立場について尋ねると、独特の答えが返ってきた。

 

「歌舞伎役者って、人を喜ばせたり、何かを与えるというオプションがついてるお坊さんだと思います。ずっとこの道を歩んでなきゃいけないから。オン・オフって別にないんです」

 

「女性自身」2020年2月11日号 掲載

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