「ベランダ越しに隣人・美和子(大高洋子)とケンカをするシーンは楽しかったです。撮影を見に来ていたおいっ子にはドン引きされましたけど(笑)」
’02〜’05年におきた“騒音おばさん事件”が題材になった、映画『ミセス・ノイズィ』(近日公開)。篠原ゆき子(39)は、隣人による騒音と嫌がらせに悩まされる小説家・真紀を演じた。
「小説家 vs. 隣人の争いがどんどん大事件に発展していくんです。今回演じた真紀は仕事に集中するあまり、周りが見えなくなって迷惑をかけてしまう性質なんですけど。家族がこの映画を見て、私が真紀そのものだねって言うんですよ。そこまで自己中じゃないと思うんですけど……(笑)」(篠原・以下同)
敵対する役の大高とは撮影中、距離をとるように心がけた。
「ふだんはすごく仲がいいんですけど、なるべく話さないようにしてました。休憩中も離れたところにいると(娘役の)新津ちせちゃんが両方にチョロチョロって来て、場を和ませてくれてましたね」
憑依したような迫真の演技に定評がある彼女だが、女優を目指したのは意外な理由からだった。
「もともとは、木村拓哉さんとキスシーンがしたくて志したんです! まだかなってないですけど(笑)。小さいころから女優はやりたかったけど、恥ずかしくて親にも隠していたんです……」
青春時代には、いまだに後悔するエピソードが。
「学生のころ、応募した事務所から家に合格の電話がきて『ゆきちゃん、オーディションがなんとかって言ってるよ』と母から伝えられたとき、自分から応募したとは言えず『なにそれ気持ち悪い〜』って電話を切ってもらったんです。私は何がしたかったんだろう(笑)」
その後、恥ずかしさを振り切り、別の事務所に入所。23歳のころ、本格的に演技の勉強を始めた。当時から演技は自分流だという。
「昔から人の演技を見習うことが苦手で。勉強しようと思って演劇とか映画を見たりするんですけど、結局一観客として楽しんで、学べないまま終わっちゃいます(笑)」
外出自粛が続く今、おうち時間の過ごし方を聞いてみた。
「家の中でトランポリンしてます! 跳ねながら水泳のポーズとかしたり……変な人みたい(笑)。1年前に買って以来ずっと邪魔だったんですけど、やっと出番がきたんです。こうなる前は飲みに行くのが好きで、飲み始めると途中で帰ったら負けみたいな根性論を持ってました(笑)」
「女性自身」2020年6月2日号 掲載