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「僕自身は役を引きずってる感覚はないんだけど、この映画を撮ってるときファンの方に『何か役やってる?』『女のコっぽい』って言われて。さすが熱心に応援してくれている方は見抜くなと思いましたね」

 

そう話すのは、“母”になりたかった主人公と、母の愛情を知らない少女、孤独な2人が母子として寄り添う姿を描く映画『ミッドナイトスワン』(9月25日全国公開)で、トランスジェンダー役に挑んだ草なぎ剛(46)。

 

「自分の中の女性像は、やっぱり母なんですよ。この年になって“母性”というものがわかってきたところがあって、だからこの役を演じられた。もうちょっと若かったら母性を違う形で表現していたかもしれないですね。ひとつは、うちの犬のクルミちゃんが子どもを授かって育てられたことが僕にとって大きくて」

 

守ってあげたいという気持ちは、「今まで感じたことがない他には代えがたい愛情ですね」と草なぎは語る。

 

「もうひとつは、こういう時期だから実家に電話することも増えて、母と『どんな料理作ってるの?』とか、なんてことない話だけど長いことしゃべって。腰痛めたら大変だから座り心地の良いクッション送ったりして」

 

誰も予期せぬことが起きて不安になる中で、「家族のつながりが心の支えになっていたんだ」と気づいたそう。

 

「離れていても、ふだんは連絡しなくても、心に家族がいることで安心して健やかに暮らせているんだって。もっと前から親孝行しろって話なんだけど(笑)」

 

そして、自身の将来の家族について草なぎはこう続ける。

 

「いい年なんでね、誰か一緒にいてくれたほうが安心するし、両親も心配してると思うから、そろそろ落ち着かなきゃなって思うんだけど。周りの友達を見ても、父になるってステキなことだなとうらやましいし。子どものことを考えたら早く結婚しなきゃ、『運動会で走れるかな?』とか考えるよね(笑)。機会があって、いい家族が持てればなと思います」

 

「女性自身」2020年9月22日 掲載

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