「懐かしい! ちっこいなあ(笑)」
本誌蔵出しの子役時代の写真を見ながら、そう歓喜の声を上げた神木隆之介(27)。2歳のデビューから今年で芸歴25年になる。
「印象に残っているのは、ドラマ『グッドニュース』のタイトルバックの撮影です。両親役の中居正広さんと鶴田真由さんを走って追いかけるカットで僕が転んじゃって。そうしたら、コケたカットがかわいいから使おうとなって、急きょコンテが変わったんです」
声の仕事においても子役時代から才能を発揮。7歳のとき、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』では腹掛けをした巨大な赤ちゃん、坊の声を担当した。
「この作品はオーディションを受けました。当時の事務所から『セリフを送るからすぐに声を録音して送ってくれ』と連絡があって、急いでマイクや録音テープを買いに行ったのを覚えています。(セリフ合わせの練習で)千尋の声をやってくれた母が、『昔、演劇部だったのよ』とノリノリだったなあ(笑)」
20歳を迎えての取材では、「役者の仕事を辞めようと思ったことは一度もない」と語っていたが、その気持ちが変わることはなかったという。
「俳優という仕事に執着していないんです。でも、続けるかどうかで揺らいだことはありません。芝居を通して自分が知らない自分に出会うことを期待しているから、未知の自分を探す旅は続いています」
今回、企画段階から参加したアニバーサリーブック『おもて神木/うら神木』(アミューズより発売中)には母とのツーショットも掲載された。
「恥ずかしいな(笑)。実は、母が出ることを提案したのは僕なんです。読者に僕のことをわかってもらうには、やっぱり親の話がいちばんだと思いましたし、仲はいいので」
最後に、これから目指すものは?
「自分がやりたいことを職業の垣根なくやっていきたい。人が『先にやられた!』と悔しがるようなことをできたらいいなと思います」
「女性自身」2020年11月3日号 掲載