10代のころからファッションモデルとして活動し、一躍“赤文字”系のカリスマ的存在となった押切もえさん。現在は一児の母として子育てと仕事を両立する多忙な日々のなか、ますますその輝きを増している。12月29日には41歳の誕生日を迎えるという彼女に、美容への向き合い方、20代・30代からの変化についてもうかがった。(3/3)
ーー30代は、美容やスキンケアでどのようなことに気をつけていましたか?
やっぱり20代と違って、無理が肌に出るようになりました。変な話、20代のときは寝なくても大丈夫だったんですよ。モデル仲間と朝まで話し込んで、そのまま撮影に行けばいいや、みたいな時期もありました。でも、30代になるとそうはいかない。無理が肌や体調に出るようになって、気をつけないといけないなあと生活習慣を見直したのが30代です。
ーー疲れが表情に出るようになりますよね。
そうそう、気力だけでは乗り切れない部分もあるんだ、と実感しますよね。きちんと根本から変えていかなくちゃいけない。プロとして長くやる以上は、本当に細かいことから律していくのがいいんだろうなあ、と思い直しました。食事は栄養バランスを勉強して、内側からどう変われるのかな、と。あとは、短くとも質のよい睡眠の取り方を考えていました。
ーーモデルや芸能の仕事以外にも、絵を描いたり、絵本や小説を書いたり。知識欲があって、勉強が好きな印象があります。
「知りたい!」っていう好奇心が強いんだと思います。一歩前に進むとき、とにかく調べて、「できれば効率がいいものを」って思っちゃうんです。たぶん、デビューが遅かったからだと思います。“時間貧乏性”なところがあって。
ーー押切さんでもデビューが遅い部類に入るんですか?
20歳のときに『CanCam』モデルを始めたんですけど、当時は16歳くらいの子がメインで、一度お断りされているんです。「年齢的に遅すぎる」と言われたとき、私ってすごく時間を無駄にしてしまったんだなあ、と後悔しましたね。プロ意識も持たずに空回りしてきたんだ、と。だから、それを挽回するためには人より頑張らないといけない。ファッション誌でプロとして長くやっていきたいと思うのであれば、これからは時間を無駄にできない。そしてたどり着いたのが、「時短で、できるだけ効率よく!」という考え方でした。
ーー30代は勉強期間として、美容もいろいろトライした時期でしょうか?
知識を身につけて、内面からきれいになる方法を探っていました。時短を目指しつつも、もちろん遠回りもいっぱいしたなあと思います。ただ、意識としては、できるだけ遠回りをしない方法を、といつも考えています。
ーー40歳になって、初めて美容アイテムのプロデュースも手掛けましたよね。
いつかやってみたいなあと思っていたので、「念願がかなった!」という喜びでいっぱいです。素早くフェイスアップを目指せる高機能ローションミストなんですが、今回はパッケージデザインについてもご提案させていただいて。生き物にとって大事な水と光、あと、空気が溶け合って美しい花を咲かせるようなイメージで考えました。
ーー「MeeW(ミーウ)」というブランド名には、どのような意味がありますか?
新しい自分、というのをテーマにしたかったので、「ME」と「NEW」で「MeeW(わたしを新しくする)」という造語にしました。女性スタッフのみなさんと意見を出し合った結果、いくつかの候補のなかでこれがいちばんよかったですね。
ーー共同開発にあたって、押切さんの美容へのこだわりを詰めたと聞きました。ふだんからどのようなこだわりを持っていますか?
やっぱり、いちばん大事なのは素肌ですよね。どんなメイクをするのでも、土台が整っていると自分の気持ちも上がりますし、メイクも最小限ですみます。冬は乾燥もするし、今年はマスクを付ける機会も増えて、そういう時期だからこそ、保湿を大切に考えています。クレンジングのときも肌に優しいことが大前提で、仕事以外でのメイクアイテムは、石けんで落ちるものや美容成分の多いものを使うようにしています。
ーー具体的にはどんな手順でスキンケアをしていますか?
今日さえよければいい、というわけではなくて、明日も、数週間後も、半年後も、何年後も、肌はいい状態で保ちたい。それには、やはり肌に負担をかけないことがいちばんですし、何よりも保湿ですね。美容クリームは使いますが、ステップはシンプルだと思います。化粧水のあと、今は美容液の代わりに「MeeW」をシュッとしてからクリームで終わり。あと、寝る前に目元クリームを塗るくらいですね。潤わせて、こっくり保湿したら終わりです(笑)
ーー今の40代はまだまだ若いですが、これからどんな点を心がけていきたいですか?
先輩方もみなさんお若いんですけど、どんどんエイジングの基準が変わってきていますよね。希望だ! って思えますもん。
ーー押切さんご自身、そういうふうに見られる立場ですしね。
そうなれたらいいなあと思います。私が先輩方を見て、同世代を見て、ステキだなあと思うのは、ハッピー感がある人なんです。持って生まれたものもありますが、そのほかに、自分のマインドがあるとか、すごく豊かな気持ちで暮らしている人に憧れます。日々の暮らしのなかで、全部でなくていいから、これだけはていねいにやろうと思えることがあるといいなと思いますし、大切にしているものがある人って、やっぱりイキイキしていますよね。すごくステキで、とても魅力的で、私もそうありたいと思っています。
ーー理想の大人の女性という感じですね。
“美しい”というのも、もちろんいいなあと思います。でも、私はどちらかというと“チャーミング”な人に憧れますね。その人らしい魅力があるって、とてもステキだと思います。だから、自分自身と向き合うことが大切なのかなあと思っています。
ーー押切さんはとても穏やかな性格ですよね。ヒステリックになったりしなさそう。
ヒステリックではないですね。もちろん、昔は怒ってしまうこともありましたよ。でも、20歳のころに「怒ると美容に悪い」って聞いたんです。ビタミンCが減るとかなんとか。そのとき、「もう怒るのはやめた!」って思ってやめたんです(笑)