――寺島は今、日常生活を送るうえでテーマを3点、設けているという。(1)楽しむこと(2)癒されること(3)スッキリしたと思うこと。
小さいことでいいんです。朝、水を飲んでおいしく感じたことを楽しめるようにする、とか。
息子とも近ごろは1対1でピンポンのように話し合うようになりました。100%聞いてあげて100%返すってすっごい疲れるんですが、エネルギーをもらえます。最近では『鬼滅の刃』を一緒に見ました。ストーリーをわかろうとする私の姿勢がうれしいらしく、ちゃんと説明してくれます。一生懸命しゃべってる彼がかわいいなと思えるようになりました。疲れていると、そんなことも聞く耳を持てなくなってしまうんですよね。
お医者さんにも「何か新しい環境に変えてください」と言われたので、10月から黒柴を飼い始めました。かわいくて「ウニニニ~」って自分でも思いも寄らない声が出ちゃって(笑)。
やっぱり家族間では絶対に癒されないものがあって、私は今まで犬に癒されてきたということが実感できました。従姉が言っていたのですが「更年期というのは人生が好転するいい機会だ」と。「将来、席を譲られて怒るのではなく、ありがとうと言ってニコニコ座れる朗らかなおばあちゃんがよくない?」って。ある現場で、宮本信子さんからもこう言われたんです。
「具合悪い? でも全然大丈夫! この先あと何年続くと思ってるの? 今がつらいって思うけど、どうってことないよ!」
本当にそうなのかもな、と――。いまは同世代の主婦の方と、お互いの悩みを話し合いたいですね。これまで白と黒の見方しかなかった私がグレーゾーンを習得し、今年はあわよくば七色になればいいと思っています。昨年より今年が悪いわけありませんから(笑)。
「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載