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すぐに行動に移したり、人付き合いがよいことを指す“フットワークが軽い”の略語=フッ軽(ふっかる)。その言葉がぴったりなのが大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)の主人公、渋沢栄一。その人物像に迫るーー!

 

渋沢栄一を“とんでもないバイタリティの持ち主”と表現するのは、同郷の後輩で、渋沢栄一の関連本『ビビる大木、渋沢栄一を語る〜僕が学んだ「45の教え」〜』(プレジデント社)も執筆したビビる大木(46)。

 

「パリを訪れたとき、軍人と銀行家が対等に話しているのを見て、すぐに“こんな国にしなければ”と思いが巡ったそうです。そして帰国後、欧州で興味を持ったあらゆる社会インフラ、資本主義のシステムをどんどん実現させていったというから驚きですよ」

 

さらに、歴史上の偉人たちとの接点の多さにも目を見張るという。

 

「大久保利通だけでなく、福澤諭吉や三菱財閥の創業者、岩崎彌太郎など、政財界から教育界まで、人脈が幅広い。それでいて岩崎彌太郎には“あなたのやり方は好きじゃない”と直接言ったりもするんですよね。でも、もっともオンリーワンの存在だと思わせるのは、育てた会社や団体の多くを後進に譲り、自らはまた新たな事業をどんどん開拓していったことだと思います。普通は、結果を出して権力を持つと、そこにしがみつくでしょ。でも渋沢栄一は“退く勇気とチャレンジ精神”を持っていたんですね。だからこそ、晩年まで、ずっと誰かに頼られる存在だったのだと思います。今も先輩として、こうやって後輩の僕に仕事をくれていますし(笑)」

 

そう話す大木が、とっておきの“フッ軽”エピソードを紹介してくれた。

 

【フッ軽エピソード1】信念を貫くために大久保利通と大げんか

政府の官僚時代。「赤字でも軍事費を増額するという上司の大久保利通に対し、そんなどんぶり勘定は日本をダメにすると直談判。上司相手でも言う姿勢に感服」(大木・以下同)

 

【フッ軽エピソード2】初めての欧州視察で初投資し、大儲け!

「パリ万博など欧州視察の費用捻出のため、現地で公債や鉄道株を購入。帰国時に売却し、プラス収支に。やることが大胆!」。この経験を金融制度などの整備に役立てた。

 

【フッ軽エピソード3】恋にもバイタリティを発揮! 子どもは50人

2人の妻の間には7人の子どもがいるが、「実はお妾さんとの間に子どもが30人、いや、50人いたとか。プライベートでも、とにかく活力があふれていたんですよね!」

 

【フッ軽エピソード4】お金儲けへの後ろめたさをなくした

「著書の『論語と算盤』では、道徳心があればお金儲けは悪くないと断言。お金を稼ぐことに後ろめたさを感じることがある日本人にとって、素晴らしい教えだと思います」

 

放送中の『青天を衝け』で、NHK公式サイトの番組レコメンダーを務めている大木。

 

「渋沢栄一に大きな影響を与える最後の将軍、徳川慶喜には注目しています。1つの時代を“畳む”側にいた人々がどう生きたのか。慶喜を僕と中学校の同学年だった、草なぎ剛さんが演じるのも、すごく楽しみです」

 

「女性自身」2021年3月9日号 掲載

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