■「YouTubeはやってダメならしょうがない」
今後はタレントだけでなく、営業活動や経費計算といった雑務もすべて自分でこなしていくという。
「電話一本取れるかも不安なんですが……。コンサートをやるにしても自分で楽曲も考えなきゃならないし、自分でそろばんを弾かないといけない。(営業活動も)あまりしつこいと“またのりピー!が来た”って言われてしまうので、人との出会いを大切にしながらやらせていただきたいです。これまでどれだけ皆さんに助けていただいてやってこれたのかという、感謝の気持ちも深くなると思います」
独立後も引き続き女優や歌手としての活動は続ける酒井。加えて彼女が新たに挑戦しようとしているのが、YouTubeだ。
「初めてYouTubeという“禁断の領域”に足を踏み込みます(笑)。そういうのは疎いのですが、やってみようかなって。ダメならダメでしょうがないし。
今はYouTubeのために自分の家の庭造りを始めています。我が家はぜんぜん“映えない”からまず家庭菜園を始めようと。ただ、私は本当にそういうのが苦手なので母に“映えるベランダを一緒に作って!”とSOSを出して、裏方としてYouTubeを支えてもらっています。ステイホームの世の中でオーガニックや無農薬野菜を育てるのは“楽しい!”ということを伝えて、真似する人たちが出てきていただけたら嬉しいです」
悪戦苦闘しながら、YouTubeに挑む酒井。そこには、こんなご時世だからこそ“心を照らす光になりたい”という想いがあった。
「YouTubeを始めるのは、デビューしてから支えてくれたファンのみなさんに恩返しがしたいという思いもあります。今はコロナや先々のことに不安なことが多いじゃないですか。そんな時に、私のYouTubeを見て、“笑ってすっきりした”“明日また頑張ろう”って思ってもらえるきっかけになれる存在でありたい。私自身が笑顔になって、かつ誰かを笑顔にできたらそんな最高なことはないですよね。ゆくゆくは日本の伝統芸能を体験したり、歴史ある旅館の良さを伝えたり全国を回って色々なことも発信していきたいと思っています」
挑戦の日々を送る酒井の支えとなっているのが99年に誕生した長男(21)。いつも酒井をそばで支え続け、ともに暮らしてきた息子は今回の母の決断も応援しているという。
「私も大事なことは息子に話すようにしていますし、彼も何でもよく話してくれます。今回も私が不安な気持ちを口にすると、“どうしたの?”って話を聞いてくれて。いつも励ましてくれて“ママがやりたいことがあるのなら自分の好きなことをやってみるのもいいんじゃない?”って背中を押してくれて、“大人になったんだな~”って(笑)」
最後に今後の“壮大な夢”についても明かしてくれた。
「今度、石黒賢さん(55)主演の『プロデューサーK』という配信ドラマに本人役で出演させていただくのですが、そこでメロディや見せ方を変えた『碧いうさぎ2021』を新しく作りました。この曲で音楽番組や、あわよくば“紅白”にも呼んでいただければ(笑)。
今後は、見ている方々と同じ目線で“隣ののりピー”ではないですけど、より身近に感じてもらいたいです」
“のりピー劇場”の第3章が、希望とともに今、はじまった――。