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23歳にして“座長”として大所帯の朝ドラ『おちょやん』(NHK)の現場を率いた杉咲花(23)。プレッシャーも当然あったはず。そんな彼女の心強い味方となったのが数々の共演者。なかでも千代の奉公先である芝居茶屋の女将・岡田シズを演じた篠原涼子(47)といった頼れる先輩女優の存在は大きな励みになったようだ。

 

「篠原さんは本当に温かくて、ふんわりとした雰囲気をつねにまとわれている方。いつも現場にいてくださるだけでみんなの心が和やかになるのを感じていました」

 

ときには体当たりで胸を借りることも。一平が幼少期に生き別れた母・夕役の板谷由夏(45)との激しいビンタ合戦は視聴者に衝撃を与えたが、舞台裏もまた壮絶だった。

 

「中途半端な感じになるのは嫌だったので、“思いっきりやりましょう”という話を板谷さんとしていて、こんな力で人のことをたたいたことないってくらい思い切りたたいたんです。そしたら、板谷さんから私と同じかそれ以上の強さで返ってきて(笑)。板谷さんがそこまで本気で向かってきてくださったことがとてもうれしかったです」

 

杉咲花明かす留置場シーンの裏側「トータスさんからビー玉を」
画像を見る 視聴者の涙を誘った留置場でのテルヲとの“別れ”(写真提供:NHK)

 

愛憎相半ばする関係だった父・テルヲ役のトータス松本(54)からは“宝物”を受け取っていた。視聴者の涙を誘った、千代と死期の迫ったテルヲが留置場で激しく本音をぶつけ合うシーン。実は、その裏側では、こんな心温まるエピソードがあった。

 

「このシーンの撮影後、トータスさんからたくさんのビー玉が入った巾着を頂きました。千代が劇中でよく持っている黄色のビー玉とそっくりなもの。トータスさんが『これは俺のなかでの裏設定だけど、お父ちゃんは千代に喜んでもらいたくてお金ができるとビー玉を買ってためたんだ。これはお守りだから、テルヲの分身だよ』って言ってくれて。それをいつも一粒だけ現場に持っていってあとはおうちに置いてました。本当に粋なお父ちゃんでした」

 

最後に、長丁場の撮影が終わった今、いちばんしたいことは何かと聞くと、「仕事の現場がいちばん好きだから何だろうなあ……」としばらく考え込んで、こう答えた。

 

「家にいるのが好きなので、家でボーッとしていたいです(笑)。今まで数えきれるくらいしか行ったことがないんですが、外出ができる時期になったら旅行して、友達が教えてくれた素敵なホテルに行ってみたいなあ」

 

数々の困難を乗り越え、千代と二人三脚で走り抜けた杉咲。彼女の女優としての旅路は、これからも続いていく――。

 

「女性自身」2021年5月25日号 掲載

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