9月14日、5カ月を過ぎ、安定期に入ったところで妊娠を公表。そして2月18日、3,357gの元気な女の子が誕生した。
「帝王切開ですから、いわゆる産みの苦しみといった達成感もなくて。やがて産声も聞こえホッとしていたら、私の胸のあたりに赤ちゃんが連れてこられたんです。初めて対面したときの感動ですか? それが、“エコー写真とまったく同じ顔!”と思って、つい笑っちゃいました」
高齢出産だからこその万感の思いは、その後、初めての授乳のときに、ふいに込み上げてきた。
「母乳をあげながら思うんです。ほぼ50歳で産みましたから、もしかしたら、この子の結婚式には出られないかも、孫の顔も見られないかもしれない。この子と一緒にいる時間はほかのお母さん方よりきっと短いわけだから、しっかりしなきゃ、長生きしなきゃと思っているうちに、初めてホロッと泣けました」
この先も悲喜こもごも、いろんな涙のシーンがあるだろう。でも家族3人なら、きっと大丈夫だ――。
「退院した朝、私が寝ていたら、夫がいつもより1時間早く起きて家事をやってくれていました。出勤前のことです。いままではなかったことで驚きましたし、素直にありがたかったですね」
最初は妻主導で始まった不妊治療について、ご主人はどう思っていたのだろうか。
「彼女は何事も決めたらやる人なので、僕にできることは協力しようと思っていました。通院も、それほど抵抗はなかったです。慣れ、でしょうか。逆に仕事で休みが取れないぶん、お金の面での協力は惜しまないつもりでした。まあ、保護猫も11匹いますので、少しは手伝わないと、妻もストレスがたまるでしょうから(笑)」
小松さんは、ブログなどで、男性への呼びかけも繰り返してきた。
「ご夫婦で不妊治療中の当事者の方、グラビア時代からのファンの男性たちも、理解しようと読んでくださっているようです。同時に女性からは、『うちの夫にも協力してほしい』との声が、相変わらず多い。共に通院してくれる男性は、不妊に苦しむ女性にとってヒーローということを知ってほしいです。
また、私は、高齢出産を必ずしも奨励しているわけでもありません。私自身、40代半ばでの限界を身をもって体験しましたから。今後は、俳優業を続けながら、高齢出産や不妊治療に関する情報発信をしていきたいです」
取材日の午後の数時間を、ぐずることもなく協力してくれたチビちゃん。インタビューを終えたときも、スヤスヤと天使の寝顔を見せていた。
(スタイリスト:佐藤友美/ヘアメーク:市川裕子/衣装:ふりふ/靴:DIANA)