■フミヤさんのルックスのファンに
歌番組があった翌日は、クラスの女子の間で(松田)聖子派vs.(中森)明菜派の勢力争いも激化。
「キラキラしている聖子さんもすてきでしたが、明菜さんの少しはにかんだ姿がアイドルっぽくなくて、私は好きでした。初めて親に買ってもらったレコードも『少女A』(’82年)で、それからデビュー曲の『スローモーション』(’82年)に遡って。来生たかおさんの曲はメロディアスですごく好き。『セカンド・ラブ』(’82年)も忘れられない曲です」
7歳上の姉の影響で、洋楽もよく聴いた。
「姉がほぼすべてのLPを持っていたデュラン・デュランに私もハマって。全盛期のメンバー5人で来日公演をした’05年に、インタビューすることができたのですが、感激しすぎて、何を話したのか覚えていないくらい。このときに、もらった全員のサインは、いまでも宝物です」
’80年代の音楽全般が好きだったが、なかでも衝撃を受けたのはチェッカーズだった。
「中学に入ったころ、仲よしのクラスメートから『チェッカーズって知ってる?』って言われて、すぐに見た『ザ・トップテン』で『涙のリクエスト』(’84年)を聴きました。“コレか! カッコいい”って。まずベビーフェースでおしょうゆ顔のフミヤさんのルックスのファンになりました」
親にせがんで『絶対チェッカーズ!!』『もっと!チェッカーズ』(ともに’84年)などLP盤のアルバムも買ってもらった。とくに思い出に残っているのは、『FLOWER』(’86年)に収録されている『Long Road』だという。
「ナオユキ(藤井尚之)さん作曲で、フミヤさん作詞。この兄弟にラブソングを作らせたら右に出る者はいないと思うくらい、すごくロマンチックな曲なんです。前奏がオルガンで始まって、“君を迎えに行く”“一緒に歩いてほしい”と歌う、結婚式のバージンロードを連想させる曲。“彼女に向けて作ったのかな”なんて、勝手に妄想していました」