■「サクラが生まれたとき、4歳の私に母が『妹ができておめでとう!』と」
「幼いころの私は、母との毎日の5分間が来ると『キターッ』と思って飛び込んでいった。『仕事しながら』『家事しながら』ではない、“私だけのお母さん”でいてくれる時間がちゃんと感じられた。母になって思うのは、『和津さんすごいな!』ってことでした」
桃子さんは、幼少のころ母に与えられた「もうひとつのこと」についても語ってくれた。
「それは、妹・サクラが生まれたとき、4歳の私を母が祝ってくれたことです。『お姉ちゃんになったね、妹ができておめでとう!』と」
第一子で生まれた子は、最初は当然“ひとりっ子状態”で母の愛情を100%受けて育つ。
しかし第二子が生まれた瞬間から、母はその子にある程度つきっきりにならざるを得ず、このころから上の子は、疎外感をおぼえてしまうことも少なくないものだが……。
「おかげで、サクラが生まれてからの4歳以降の私の記憶は、ハッピー以外のものがない。『妹ができてうれしい!』という気持ちをプレゼントしてくれたのは、間違いなく母です」
それ以後、桃子さんは「サクラには私がいる。私が守る!」という思いを固めていく。
「サクラの前に立ち、『ここなら大丈夫だよ』と道を拓くような思いでやってきた。学校でも、仕事をするようになってもそうでした」
サクラさんは俳優・柄本佑さん(35)と’12年に結婚し、後に長女を出産。
お互いが母親になったいまも、変わらぬ姉妹の絆が、桃子さんとサクラさんにはある。
ふたりを育て上げた御母堂・和津さんの手腕には、本当に頭が下がる思いだ。
(取材・文:鈴木利宗/撮影:高野広美)