「一見、幸せそうに見える家族が、あるつらい出来事を経て深い悲しみを背負って生きていく物語です。胸が締め付けられるような部分もありますが、脚本の岡田(惠和)さんの紡ぐ優しい言葉で素敵な会話劇になりました」
そう語るのは、1月7日放送の新春ドラマスペシャル『優しい音楽』(テレビ東京系)で主演を務めた土屋太鳳(26)。相手役の永山絢斗をはじめ、仲村トオル、安田成美とは初共演で、テレビで見ていた先輩俳優と肩を並べることになった。
昨年は8年通った大学を卒業。主演を務めた朝ドラ『まれ』から7年がたち、“若手”女優と呼ぶのはもう失礼と言えるほどキャリアを積んできた土屋だが、いまの自分は「修業中の身」と謙遜する。
「最近、もっと社会のことを知りたいとつくづく思うんです。女優って、役を通していろんな人の人生を生きることが仕事で、その人たちはみんな社会のなかで生きている。もしもこのまま社会を知らなかったら、演じれば演じるほど嘘うそを重ねていくような気がしてしまって……。社会で生きる人を生きることができる女優になりたいですね」
自身の成長に関してはこんな答えが返ってきた。
「成長するということが、私自身、まだよくわからなくて。ただ先日、新庄剛志さんが監督就任の会見で『優勝は目指さない』とおっしゃったとき、その言葉にすごく感動したんです。成長や成果って、目指して得られるものじゃないんだ! って。いまの自分は、今日何か一つ心がけることで自然に何か変化していたらいいなあと思っています」
そんな彼女も今年2月で27歳。恋愛や結婚も意識する年ごろに。
「やっぱり命って大切で、自分も命というものを次の世代につないでいきたいという思いはあります。周りの人たちからも、『恋愛したほうがいいよ』とかいろいろ言われますしね(笑)。最近は、人を思う気持ちを押し殺すこともちょっと寂しいと感じるようになりました。自分の目の前にいる人たちを大切にして、それが恋愛という形になったらいいなあと思っています。一緒においしいものを食べたり、何かを見て感じたりしたものに対してお話ができる人がいいですね」