「選曲でセンスが試される」加藤貴子が少女時代に熱中したカセットテープづくり
画像を見る ボーイッシュな雰囲気の中学2年生の加藤さん

 

■当時は学生鞄をお風呂に浸けて、ペラペラにするのがカッコよかった

 

木曜の『ザ・ベストテン』(’78〜’89年・TBS系)も欠かさなかったが、夜9時から始まるため、後半は眠たくなった。

 

「初めてアルバムを買ってもらったくらい寺尾聰さんの大ファンで、『ルビーの指環』(’81年)のリクエストはがきを書いたりもしたのですが、上位に来るので起きていられないんです。当時、わが家にはまだビデオデッキがなくて、音楽を録音するのは睡魔との闘いでもありました」

 

テレビから録音すると、必ず雑音が入ってしまうもの。

 

「急に好きな曲が流れ始めて、慌ててその辺にあったテープで録音したら、お姉ちゃんのもので、『なんで私のを使うの!』って怒られたこともありました」

 

そんな失敗から、音楽はレコードから録音することに。

 

「レコード針を落としたときのプツッていう音が好きで。にもかかわらず乱暴に置いてしまうものだから、針をすぐにダメにしていました。今はスマホで簡単に曲が聴けますが、当時は1曲を手元に残すために、すごく苦労して」

 

小学校の高学年のころには、’80年代初頭に名古屋で火がついた「なめ猫」ブームが全国に広がり、原宿の「竹の子族」出身の沖田浩之さんがデビュー。管理教育への反発から、全国的に学校が荒れて、社会問題化した。

 

「ドラマ化された『今日から俺は!!』(’18年・日本テレビ系)のような世界観が、カッコよかった時代。お風呂で湯船につかりながら、カバンをギュッと抱いて潰して、ペラペラにしたのを学校に持っていくのがはやりましたよね」

 

中学時代も聴く音楽は、松田聖子やチェッカーズなど『ザ・ベストテン』に登場する曲がメイン。

 

「卒業のタイミングで斉藤由貴さんの『卒業』(’85年)を聴いて、歌の世界を自分に置き換えてみたりもしました」

 

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