「役作りでいちばん意識したのは、僕が演じる貘は絶対的な自信を持つ男だということ。ふだんの僕はわりとネガティブなので、撮影期間中は自信を持とうと心がけて生活していました。おかげで、その間は明るかったと思いますよ(笑)」
そう話すのは、2月11日公開の主演映画『嘘喰い』で“嘘喰い”の異名を持つ天才ギャンブラーの斑目貘(まだらめばく)を演じる横浜流星(25)。原作漫画を忠実に再現するため、髪を4時間以上かけて銀色に染め上げ役に臨んだ。
「原作を読んで、非日常の世界観でしか味わえない娯楽があるし、主人公の貘は、頭が切れてカッコいいと思いました。ただ、(映画化に当たっては)生身の僕らが演じるからこそ、人間臭さみたいなものを足していきたいなあ、と。貘の狂気的な部分だけではなく、弱さや脆さのようなものを意識して演じていました」
貘には、勝利を確信するとカリカリ梅をかじる癖があるが、横浜自身のスイッチが入る瞬間は?
「カフェインを摂取したときですあ。僕、朝がすっごく弱くて、全く機能しないんですよ(笑)。テンションを上げなきゃならないときはなおさら。カフェインを取って、ヨシ! と気持ちを切り替えます」
そんな彼に人生で大博打を打った経験を聞いた。
「この世界にいることが博打だと思います。格闘家の道、大学進学と、ほかにも選択肢があったなかで、高校2年のときに“戦隊モノ”が決まって、芝居を続けていきたいという思いが明確になりました。自分が楽しいと思えたことを仕事にするってすごく難しいことだけど、少しでも可能性があればそこに賭けたいと思ったんです」