NHK連続テレビ小説『カムカムエブリバディ』赤螺吉右衛門を演じる堀部圭亮 画像を見る

「京都編が始まって、吉右衛門が初めて登場した日、友人から『朝ドラ、すごい話題になっているね!』とメールが来ていてビックリしました」

 

そううれしそうに笑うのは、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の第3部京都編で、荒物屋「あかにし」の店主・赤螺吉右衛門を演じている堀部圭亮(55)。吉右衛門は、店の壁に「買わぬなら帰らせるのが吉右衛門」という標語を貼るほどのケチな性格から「けちえもん」と呼ばれる個性的なキャラクターだ。

 

堀部は『カムカム』第1部の岡山編では、吉右衛門の父である吉兵衛を演じていた。すなわち、父子の一人二役。吉兵衛もまた、「けちべえ」と呼ばれるケチなところや、息子の溺愛っぷりが印象的なキャラクターだった。

 

物語中で、吉兵衛は空襲に遭い、吉右衛門をかばって命を落とすことに。その後、成長した吉右衛門を演じるのが堀部だと判明すると、たちまちネット上で「吉右衛門」のワードが検索トレンド1位になるほどの大反響となったのだ。

 

「商店街のケチなおじさんが、ここまで注目してもらえるとは。たくさんの人に見てもらえていると実感できてうれしかったですね」

 

父子の二役の演じ分けにあたって、苦労はないのだろうか。

 

「脚本のト書きや台詞が素晴らしいので、流れのままに自然に演じています。岡山ことばで頑固なイメージの吉兵衛に比べ、吉右衛門は母(清子=松原智恵子)と一緒にいるので『お母ちゃん~』と京都ことばで話すし、松原さんの空気もとても柔らかいので、吉右衛門のほうがやや丸い性格かもしれません」

 

こまかい設定が施された登場人物たちや、そこに張り巡らされた伏線が人気を支える『カムカム』。“赤螺家3代の100年”にまつわるトリビアも多いという。

 

「まず、赤螺家の子どもはオカッパ頭が定番ですね。吉右衛門の息子・吉之丞もそう。それから、吉右衛門はシャツのボタンをいちばん上までキチッと留めます。これは、子役さんが演じていた時代の吉右衛門をずっと見ていて、そのまま僕も受け継いでいるんです。また『あかにし』店内には吉右衛門のケチな性格が現れた標語が貼られていますが、標語の字体は、岡山の店にあったものと一緒。僕はすべて母の清子さんが書いているんじゃないかとにらんでいます。赤螺家を締めてるのは、意外と母なんでしょうね(笑)」

 

最終回まで、赤螺家から目が離せない――。

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