■理想の女性像は橋田さんと加津
宇野には、目標がもう一つある。それは「加津を演じた女性として、恥ずかしくない生き方をする」ということだ。
「子供の頃から、加津ちゃんはずっと目標でした。彼女は複雑な境遇にあっても、たくましく生きていました。もちろん弱さもある。でも、とっても優秀な女の子なんですね。物事がうまく進まないこともあったけど、全部それを糧にして突き進んで。やっぱり、かっこいいですよね」
宇野は子役だったこともあり、「周囲との違いに焦りを感じたこともありました」と明かす。しかし、こう語る。
「でも冷静に考えれば22歳になるまでずっと芝居をしてきましたし、違っていて当たり前。それに橋田先生は90歳になってもバリバリ現役でしたから。私なんてまだ人生の3分の1、だから次の3分の2を頑張ります(笑)。
仕事でいい結果が出なくても、納得のいく脚本ができなくても、その道筋を楽しめたらいいなと思っています。だって、加津ちゃんがそういう女性でしたからね」
憧れは、橋田さんと加津。2人の“理想の女性”を胸に、宇野は描いた夢へと歩き続けるーー。