芳本美代子語る“寝起きドッキリ番組”の怖さ「ホテルのドアチェーンが外されてた」
画像を見る 新春かくし芸大会でちょんまげになった芳本さん

 

■“ドッキリ”と気づいても、余計なことはできない

 

アイドル歌手として、週末は地方でサイン会があり、テレビのバラエティ番組にも挑戦。

 

「水泳大会や運動会にも出ました。先輩の秀美さんがスポーツ万能だったこともあり、『白いバスケット・シューズ』を歌う私への期待も高かったようですが、全然ダメで、事務所のスタッフさんは愕然としていました(笑)」

 

番組で“ドッキリ”を仕掛けられたのも、一度や二度ではない。

 

「寝起きを撮られたときをいま振り返ると、ホテルの部屋のドアチェーンが取り外されていたりして、不自然な点はあったんです。でも気づけなくて。ニセのCM撮影で小学生に扮することになり、十円ハゲのカツラをかぶって、短パンをはき、ランドセルを背負い、あおっぱなまで描かれたこともありました。いちばん怖かったのは、喫茶店でマネージャーさんが怖い人たちの人質になってしまったとき。しばらくして不審な点を見つけ、“これはドッキリだ”と確信したんですが、でも万が一、本当だったらって考えると、余計なことはできないんです」

 

とにかく与えられた仕事を一生懸命にこなしながら’80年代を駆け抜け、’90年、ミュージカル『阿国』に出演したことで転機を迎えることに。

 

河合奈保子がミュージカル『THE LOVER in ME』に出演したことで、所属事務所と劇場とのつながりが強くなっていたことも、芳本さんへのオファーのきっかけになったという。

 

「当時、芝居がてんでダメだった私は、せめてソロの歌くらいは頑張ろうと必死で臨みました。先輩方からもたくさんアドバイスをしていただき、なんとか演じきることができた舞台でしたね」

 

デビューから5年がたった21歳の芳本さんは、この作品でゴールデン・アロー賞の演劇新人賞を受賞し、新境地を得た。

 

「現在は、吉幾三さんの芸能生活50周年を記念した舞台『吉幾三特別公演』(6月4~12日・大阪新歌舞伎座、7月8~24日・明治座)の出演準備をしています」

 

先輩・河合奈保子の存在があったからこそ、いまへ通じる道がひらけたのだ。

 

【PROFILE】

芳本美代子

’69年、山口県生まれ。’85年、16歳のときに『白いバスケット・シューズ』でアイドル歌手デビュー。現在、テレビや映画、舞台で女優として活躍。また、YouTubeチャンネル「みっちょん IN ポッシブル」も好評配信中

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