【前編】松原智恵子語る50年の結婚生活 母の猛反対退けてまで夫に週刊誌記者を選んだ理由から続く
’72年に結婚した松原智恵子さん(77)。人気女優が伴侶に選んだのは、大会社の役員やイケメン俳優ではなく、長年『女性自身』にも携わってきた週刊誌記者・黒木純一郎さんだった。
松原さんと黒木さんの結婚生活は50年に及ぶのに、ほとんどケンカらしいケンカはなかったという。その秘訣について松原さんはこう語る。
「お互い、仕事の話は家ではしないようにしていましたから。カレンダーにスケジュールを書いていましたから、『今日はロケなんだな』とか『週末からは東北へ出張なのね』くらいはわかるようになっていて。それぐらいの距離感がよかったのでしょうね。
私が『「長いお別れ」(’19年公開映画)を見てね』なんてお願いすることもあり、そういうときは純一郎さんも見てくれていたみたいですが、感想は一切言ってくれなかったです」
実は黒木さん、仕事仲間には、「すごくいい作品だから、ご家族で見てくださいよ」と、松原さんが出演している映画のチケットを配ったりもしていたのだが、どうやら奥様にはナイショだったらしい。
だが松原さんによれば、一度だけ黒木さんに“叱られた”ことがあるという。
「私は39歳で出産しました。当時というか、いまでも高齢出産なほうですよね。私は昔からかなり丈夫なもので、病気で仕事を休んだことはなかったのですが、妊娠中に風邪をひいてしまったことがあったのです。熱があり、けっこう咳も出ていましたが、妊娠しているので風邪薬は飲めません。
それでもいつもどおり撮影現場に行こうとしたら純一郎さんが、『そんなに無理をしてまで、仕事をする必要はないよ!』って。いつもは仕事に口を出さない彼が、私の体を心配して怒ってくれたのです。
私も素直に、事務所に連絡をして、その日は撮影をお休みさせてもらいました。私が仕事を休んだのは、その1回だけ。純一郎さんに叱られたのも、それが最初で最後のことでしたね」