森尾由美 デビュー当時は私服も衣装も「ピンクハウス禁止」でした
画像を見る 好きな服を着られなかったデビュー当時の森尾さん

 

■フランス人形のようなフリルやレースの服は女の子の夢

 

レコード会社への挨拶回りのためにもイメージ作りは大事で、スタイリストからは私服のブランドまで指定された。

 

「ちょっとお姉さん系の『メルローズ』しか着させてもらえませんでした。確かにすてきなブランドですが、私服にも自分の意思が反映されない不満を、ずっと抱えていたんです」

 

そんなとき、ページをめくった雑誌『anan』や『Olive』で、ピンクハウスを着たモデルの写真が目に入った。

 

「聖子ちゃんの衣装のように、フリフリでかわいいところも魅力ですが、スカジャンとかウエスタンブーツと合わせた“すごく斬新な着こなし”にも興味を持って。19歳くらいになると、事務所も“そろそろ自分の好きなものを着ていいよ”と言ってくれたので、迷わずピンクハウスを着たい! って思ったんです」

 

早速、衣装提供してもらおうとスタイリストを通じて連絡したが「モデル以外に貸し出していない」と、断られてしまった。

 

「“そっか……”と残念でしたが、やっぱり好きだからあきらめきれず、自分で買い集めることに。でも、スカートだけでも、手縫いのレースだと3万円はするし、店員さんの着ているものを全部集めようと思うと20万円もするから、なかなか厳しくて……」

 

ダメ元で、しつこくコンタクトをとるうちに、ファミリーセールに呼ばれるようになり、安く入手できるようになった。

 

「完全に虜になって、最大50着くらい集めました」

 

ライフワークとなる『はやく起きた朝は…』にも、ピンクハウスを着て出演を続けているとーー。

 

「結婚して、子どもが生まれた28歳くらいのとき、ようやく衣装提供してくださることになったんです。苦節10年、願いがかないました!」

 

もちろん、50代となった今でも大好きなブランドだ。

 

「衣装を貸していただけるので“まだ着ていい”って、ブランドから認められている思いです。50代だって、クマのコサージュをつけて、かわいい服を着たって、いいじゃないですか(笑)」

 

’80年代から抱き続けたピンクハウス愛は、冷めることはないのだ。

 

【PROFILE】

森尾由美

’66年、東京都生まれ。’82年のドラマ『ねらわれた学園』でデビュー。『オールナイトフジ』の司会などバラエティ番組でも活躍し、’94年から改題を経て続いている『はやく起きた朝は…』は放送開始29年目。先日、長女が出産し、初孫に恵まれたことをSNSで報告した

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