(撮影:竹中圭樹/アーティストフォトスタジオ) 画像を見る

お魚への大きな愛とユーモラスなキャラクターで人気のさかなクン。彼の半生を描く映画『さかなのこ』が9月1日に公開。原作はさかなクン初の自伝的エッセイ。さかなクンの分身であり、大好きな絵とお魚の力で未来を切り開く主人公・ミー坊をのん(29)が演じた。

 

取材日、おなじみのスタイルで「ギョんにちは!」と登場したさかなクン。のんとは、過去にも共演経験があり、互いにリスペクトする仲。30分にわたった対談では終始ハイテンションで、撮影中の思い出や作品に込めた思いを語ってくれたーー。

 

さかなクン:映画を拝見して、ものすギョく感激しました! ミー坊が熱帯魚屋さんで働いているシーンでは、「こんなこともあったなあ」と昔を思い出したり、笑ったり切なくなったり、いろんな感情があふれ出ました。映画を見て、涙がダーッと大ギョーキュウ(号泣)になるなんて初めて。とにかく!! のんちゃんさまの演技が素晴らしかったでギョざいます!

 

のん:正直、最初は私でいいんだろうか? ってドキドキしていたんです。ところが本読みのとき、ホワイトボードに〈男か女かは、どっちでもいい〉と監督の手書きの紙が貼られているのを見て、「あ! どっちでもいいんだ!」という気づきがあって。私にこの役がきたことに、自分自身、すごくしっくりきたというか、ジェンダーうんぬんじゃなくて、お魚が大好きなミー坊という人間を演じればいいんだなあと思いました。役作りにあたっては、さかなクンさんが昔、『TVチャンピオン』に出ていたころの動画を拝見して研究しました。

 

さかなクン:ギョエ〜!! お恥ずかしい!『TVチャンピオン』さまのころを見ると、自分でも進化したんだなあって(笑)。当時は引っ込み思案で、人前では全くしゃべれなかったんです。それが、難しいクイズに正解して、あまりのうれしさに拳を突き上げたり、跳びはねたりしていたら、周りの皆さまが拍手をして褒めてくださいました。もともと褒められるとめちゃくちゃうれしく元気になるため、だんだん今のようになってきました(笑)。

 

のん:さかなクンさんには一緒にいる人を幸せにする力があるし、そういう明るいパワーは、自分にもあるような気がするんです。脇目も振らずに好きなことに突き進むところとか、自分と似ているなあって。

 

さかなクン:突き進むといえば、以前、映画『海月姫』さまで共演したとき、のんちゃんさまに「タコクラゲに負けた!」と言われたことが(笑)。

 

のん:あの日のことは忘れないです! 熱帯魚屋さんでの撮影中、2人で雑談しているとき、「タコクラゲ、出すよ!」という声が聞こえたら、さかなクンさんが一目散にタコクラゲのほうに飛んでいってしまったんですよね(笑)。

 

さかなクン:お話の最中だったのに、本当にギョめんなさい!!

 

のん:でも、そのときのさかなクンさんの姿がすごく清々しくて。だから今回、さかなクンさんの本を読んだとき、この主人公はヒーローだ! と思いました。さかなクンさんが演じたギョギョおじさんとの出会いで、ミー坊が覚醒していく姿がめっちゃカッコいいんですよ。

 

さかなクン:のんちゃんさまに褒められて、ものすギョくうれしゅうギョざいます♪ ギョギョおじさんは、監督さまから「本人に近い感じで演じて」とギョ指導を受けて、なるべく自然体でやろう、と。

 

のん:ずっと変わらずお魚だけが好きなミー坊を中心に、周りの人たちが変わっていく。私自身、自分はそういうヒーローポジションにいると信じてこの仕事をしているので、この作品でヒーロー役ができてうれしかったです。

 

さかなクン:ギョギョッ! カッコいい!! さかなクンもお魚をずっと好きでいることを貫けたのは、多くの人たちに支えていただけたからこそです。そして、お魚にはとにかく! いっぱい魅力があります。たとえば、アユちゃんは〈香魚〉とも書くように、スイカのようないい香りがするんです。お魚はそれぞれに見た目の美しさ、鱗やひれなどの質感、香り、発する音、そして味わいがあります。人の“ギョ感(五感)”全てに感動を届けてくれるんです。

 

のん:私にとっては、それが演技なんだと思います。中学生のときに俳優を目指して上京して、まだ演技も何もできないうちから、「いい俳優になるんだ!」という根拠ない自信があったなぁと。

 

さかなクン:それにしても、映画でギョ披露されていた、のんちゃんさまのナイフさばき。一つの迷いもなくて、ギョギョびっくり!! しかも、包丁ではなくナイフであの手さばきに心が打たれました!

 

のん:相当練習しました。お魚さんたちとたくさん“ギョミュニケーション”ができて楽しかったです。

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