■家では、妻がずっとしゃべっている
スイーツ男子な側面がある一方、家庭では作中同様“氷室”のように寡黙なのだという。
「というか、大事な連絡事項以外はしゃべりませんね。『うん』も言わず、うなずきもしなくても、向こう(松本)がずっとしゃべっているので(笑)。家ではボクが語りかけるのはトイプードルくらい。
夫婦で食事に行ったことは、1回もないですね。いまさら『ちょっと食べに行こうか』と誘ったら、相当やましいことがあるって疑われそうじゃないですか」
子どもが大学に進学して以来、家族旅行にも外食にも行かず、家事もしないため「多分、最低の夫」と自認している本宮。それでも結婚24年、夫婦ゲンカがほとんどなかったのは、妻の言うことに反対しないから。
「妻はとにかく信念があって、決意したらやり遂げる人なので。新たに始めたキャンピングカーのレンタル事業についても、ボクは何も言ってません。言ってやめる人じゃないし、仮に失敗したときに『ほらね』と言うのも嫌じゃないですか。命に関わること以外で口出しすることはないんですよ」
しかし、そんな本宮も一度だけ妻の松本に対して“口出し”したことがあるという。
「彼女、自分のものは買いませんが、人へのプレゼントには惜しみないんです。100人以上のスタッフや出演者にプレゼントを贈る際に、選んでいる商品があまりに高価すぎたときは“やべえな”と別のものをすすめたことがありますね」
松本といえば「義母と下着を共有している」「息子が着なくなった服を着ている」「夏はゴーヤを栽培してツタでカーテンを作るため、毎食、ゴーヤ料理」と語るほどの節約マニアだが――。
「……ゴーヤは確かに出ますが、野菜は嫌いなんで……。でも、基本的に妻は節約を家族に強要したりはしません。ただ、ものが捨てられない人なので、いつもボクが代わりに処分しています。見つかると必ずゴミ箱から出してしまうので、捨てるときはこっそりと」
本宮が松本の行動を黙って見守るように、松本も本宮の行動に口出しすることはないという。大雨のなか、本宮がロケ先に車で向かったときのこと。
「深夜に山道を走っていると、雨水が激しい流れになっていて。なんとかロケ地にはたどり着いたのですが、バンパーが外れて流されたりしていて、結果的に新車を廃車にしてしまったんです。それでも妻からは何も言われませんでした。気づかなかっただけの可能性もありますが……(笑)。
撮影に入ると、妻よりも小沢(仁志)さんといる時間のほうが長くなることもしばしば。男ばかりの学生みたいなノリで10年以上撮ってこられたのも、妻の理解があったからかもしれません」
本宮が創り上げてきた『日本統一』は、主婦のストレス発散にもおすすめの作品だとか。
「描かれているのは任俠の世界でも、いい人・嫌な人がいて、近所付き合いや職場の人間関係に置き換えられます。嫌なやつはだいたいひどい目にあわせていますので、スッキリしますよ。キャラクターは各種取りそろえているのできっと“推し”が見つかるはずです」
“任俠の世界”に入門する、またとないチャンス!