【4】CD売上数ワーストからの初ミリオン
「『ふるさと』という曲を出したとき、初めてのバラード系ということもあったのか、少し売り上げが伸び悩んだんです。そのときに『解散』という言葉がフッと出て。マネージャーが『次、ヒット曲を出せなかったらモーニング娘。ヤバいな』みたいな。それでみんなが自信をなくし始めてグループ内でもギクシャクしました。マネージャーからは『中澤、メンバーをまとめろ』と言われたのですが、私もまとめ方がわからない。そうしたらマネージャーがしばらく口をきいてくれませんでした。そんな状況のなか、次の曲が『LOVEマシーン』。そのタイミングで後藤真希ちゃんが入ってきたんです! いろんなことが重なった時期でしたが、ごっちゃん(後藤)が起爆剤となって『LOVEマシーン』で初めてのミリオンを達成しました」
【5】なっちとかおりんが仕事前にホテルで籠城未遂!?
「当時、地方出身組は東京でまだホテル住まいでした。そんなある日、仕事に向かう集合時間になっても、同部屋のなっち(安倍なつみ)とかおりんがロビーに下りてこなくて。私とマネージャーで部屋に行ってノック。そしたら中から『やだ! 仕事に行きたくない! おうちに帰る!』って。それを聞いてショックで……。その日はそこから私、ほぼ記憶ないです(笑)。2人の気持ちもわかっていたんですよ。あのコたちは遠い北海道から出てきて、寂しくもなるだろうし、忙しすぎて疲れもするだろうし。でも当時は『仕事に早く行かないと怒られる』が先で(笑)、なんとかなだめて連れ出して、ボイコットは未遂で終わりました」
「あの2人は『怪獣』でしたね(笑)。コンサートが終わって泊まるホテルに行くと、メンバーの人数も多いことでワンフロア貸し切りになるんですよ。そしたらあの2人が廊下を、ダダダダァッて走り回って。そのうち、『お菓子がない!』とか、吉澤(ひとみ)や(石川)梨華ちゃんの部屋に『行きたい!』とか騒ぎだすから、それを私が『うるさい!』って怒る(笑)。また、当時2人は三十路という言葉を知らなかったんですが、マネージャーに教え込まれて、初めてのミュージカルのステージ上で私のところに来て『三十路!』って叫ぶんです。それを私が『何!』って怒ったら、ファンの方が喜んでくださる。でも後に辻ちゃんが30歳になったとき、『あのときは意味もわからず言ってしまって本当にごめんなさい』と謝られました(笑)」
【7】マンションの一室に5人で同居時代も!
「ドラマ撮影をしているころ、マンションの一室にメンバー5人で共同生活していたんですよ。そのときなっちは通信制の学校の生徒だったので、段ボールを机代わりに勉強していました。で、気づいたら寝てるから、お布団をかけてあげたり。なっちからは『裕ちゃん! 鏡が割れた!』って電話がかかってきて。『とりあえず、ケガするから踏まんときよ。マネージャーさんに電話し』とか。『裕ちゃん! ベランダにハトのフンがいっぱいある! どうしよ?』て言うから『管理人さんに言うか?』とか(笑)」
今、実際2児の母になった中澤さんは今後、モーニング娘。にどういった形で関わっていくのだろうか。
「OGみんなが集合するときは声をかけていただければ参加します。私、来年50歳になるんですよ。だから全員が健康なうちに、また会いたいです(笑)」
【PROFILE】
中澤裕子
歌手、タレント、司会者。モーニング娘。の元メンバーで、初代リーダー。現在は福岡を中心に活動中。2児の母
(取材・文:インタビューマン山下)