前田吟(79)明かす年下歌手と電撃再婚の裏側「愛は綺麗事だけではない」
画像を見る 『男はつらいよ』や『渡る世間は鬼ばかり』など名作ドラマ・映画に出演してきた前田吟さん

 

■幸子さんの心動かした3枚のハンカチ

 

幸子さんが結婚を決意したのには、こんなエピソードも。

 

「デートでふかひれラーメンを食べたら、当たったのか私が車中で戻してしまって。そのとき吟さんは嫌な顔ひとつせずにさっとハンカチを出してくださった。3枚も持っていたのね。介抱の仕方が慣れているなって。それで『この人なら』と安心できたのもあるかな」

 

前田さんは15年にわたり前妻の介護をしてきた経験があり、介抱には「慣れっこ」なのだという。

 

「前妻だけでなく、若いころは養父の病室の床にシートを敷いて介護した経験もあるので、僕は下の世話も全然平気なんです」

 

年を重ねてからの恋の場合、事実婚という形もあるが、なぜわざわざ“結婚”をしたのか。

 

「このご時世だからスマホで写真を撮られたりすることもあるだろうし、子供たちも『変な噂になってはだめだよ』って。誰に見られても堂々としていたかったから同居する前に入籍の届け出をしたかったんです。

 

それに、愛というのは奇麗事だけでありません。夫婦間ではお金と健康の問題はいちばん大事なこと。僕が先に死んだなら彼女の老後のために保険金を受け取ってほしいし、彼女の生活の道筋をきちんとつけておきたかったんです」

 

昨年の成人の日から1年で恋が愛に。夫婦円満のコツは“いたわり合い”だそう。

 

「家事も無理せず、できるほうがやる。朝も先に起きたほうが作る、くらいで」と前田さんが言うと幸子さんがうなずく。

 

「お互いにいたわり合いという感じです。私も彼に勧めていただいて歯を治しているところです」

 

前田さんは、睡眠時無呼吸症候群の診断が下されているため、就寝時にはCPAP療法の呼吸器が必要なのだそう。

 

「だから妻とは抱き合って眠ることはできないんです(笑)。あと心臓にはカテーテルが3本入っていて。彼女には最初にその状況を説明しましたし、彼女の健康も大切にして、お互いに体調を把握しておきたい。この年齢になると大事なことです」

 

そんな2人を見事に表しているのが、3月22日発売の『幻恋歌/凪の風景』。箱崎幸子改め、サチコのソロと、夫婦のデュエットソングが収められている。春には前田さんの故郷の山口県で芸能生活60周年の感謝祭も予定している。そんな活動にも、結婚が彩りを添えるようだ。

 

「老人ホームを訪ねたり、そこで幸子さんに歌ってもらってお披露目も、できたらいいな」

 

前田さんから最後に、これから熟年婚を考える人にアドバイス。

 

「われわれは早々と籍を入れたけれど、年齢を重ねたらいろんな愛の形があっていいと思います。茶飲み友達にもなれるだろうし、仲よく年を重ねていけるならそれでいいのではないでしょうか」

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