「いちばんひどかったときはまったく声が出ませんでした。考えていることがうまく言葉にならないとか、そういう不調も含めての発声障害でした。ようやく少しずつ声が出るようになっても療養中は声と喉の消耗が激しくて、本当にステージに立てるのかなと不安も募りました。
今もしゃべっていると声が出なくなるときがあるので、完全に戻ったかと言われるとそうではありません。歌は練習してますよ。一生でいちばん練習してるってぐらい。歌はうまくなりました、間違いなく(笑)。この1年半でこれだけ練習するかっていうぐらい練習しましたから。やっぱりステージで歌ったとき『パワーアップしている』とファンを驚かせたいですし。
ただ、最大の問題は2時間のステージが持つのか。声量の問題も含めて、そこは今の課題です」
そう語るGACKT(49)。’21年9月の活動休止発表から1年半を経て、音楽活動再開の第1弾となるライブツアー「LAST SONGS 2023 feat. K」が3月24日から東京・大阪・福岡の3都市で開催される。だが、ここにたどり着くまで、過酷なリハビリがあった――。
「声が出ない以上に、脱毛症で急に毛髪が抜け始めたときは本当にショックで。頭皮の状態をどう戻すか、試行錯誤したんです。幹細胞治療を経て徐々に髪の毛が戻ってきたんですが、特に状態がよくなったと感じたのが、シャンプーを使わない“湯シャン”。みんな、頭皮が硬すぎるんです。
最初の10日間は1日30分マッサージ。まずは湯洗いでやるのですが、いちばん最初はめちゃくちゃ疲れますし、痛いです。指でこすると、指の腹に頭皮の脂がつき、それをお湯で取ってまたやってっていうのを繰り返します。
ボクが思うに世の中のほとんどの人は、必要以上に脂を落としすぎですよ。脂を落としすぎるから体は脂分解を保とうとして、また脂を出す、その繰り返し。
ボクは顔も4カ月、石けんは使ってません。お湯だけ。ドライヤーもほとんどしません。タオルで拭きながら、髪の毛を地肌に押し付ける。そうすると、髪の毛に頭皮の脂がついて髪の毛がどんどんいい状態に戻っていくんです。
ボクはもともと白髪もありました。ところが、最近は根本から黒い毛が生えてきてます。頭皮がどんどん柔らかくなってきて、指でつまめるようになるんですよ。ボクは最近、人と会うとすぐ頭皮に目がいっちゃって。はげてる人、脱毛している人って頭皮が絶対赤い。健康な状態は青白いんです。個人の見解だから、絶対に正しいというわけではないですけど」