(撮影:加治屋誠) 画像を見る

「詐欺師の味方をして裁判で勝たせる悪徳弁護士です。ダークな面を持ちながら人間味もあるので、それを同時に表現しなければならない。演じるうえで難しさもありますが、彼の魅力的なところなのでとても大事にしています」

 

そう話すのは、放送中のドラマ『弁護士ソドム』(テレビ東京系・金曜20時~)で自身初の弁護士役に挑戦している福士蒼汰(29)。

 

ソドムとは、旧約聖書に登場する街の名前で、“退廃”や“悪徳”の象徴。正統派のイメージを覆すようなダークヒーローを演じている。

 

「作品を見てくださる方がどう受け取るか考えると、ドキドキしちゃいますね(笑)。極端なキャラクターのときほど反応が気になって。『大奥』(NHK)で有功のような善人を演じたときもドキドキでした」

 

ドラマでは詐欺師さえも手玉に取る男を演じているが、自身は騙すほう? それとも騙されるほう?

 

「あまり騙されないと思います。すべてを疑ってかかるタイプなので(笑)。真実を知りたいという気持ちが強くて、本当のように思えることでも疑うようにしているし、当然噓っぽいことも疑うので、結果、全部を疑うことに(笑)」

 

まもなく30歳の誕生日を迎える福士。「いま、仕事がものすごく楽しい」と目を輝かせる。

 

「台本を読み込むことも、演出にすり合わせていく作業も、昔よりもシンプルに、能動的になりました。もちろん、楽しいと感じることができなかった時期もありましたが、人生と同じように役者の人生にも波があります。落ちているときでも、“生きていれば絶対また上がる”と信じて生きる。その心の持ちようが大事なんだと思います」

 

プライベートでは英語や格闘技にいそしむが、その努力が実り、6月には全編英語のセリフに挑戦した初の海外作品が世界配信される。

 

「世界各国を代表する俳優陣のなか、日本人キャストは僕1人でしたが、精いっぱい取り組むことができたと思います。厳しい世界ですが、挑戦していかなければならないと自分を奮い立たせています」

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