“みっちょん”の愛称で親しまれた吉本(写真:本人提供) 画像を見る

「デビューして3年間ぐらいはほぼ休みがなく、マネージャーさんに連れられて“はい次、はい移動”という感じでお仕事をしていたので苦悩がなかったというか、あまり覚えていないんです。ただ、何年か後に楽屋入口やステージに立つと“あっ、ここ覚えてる!”と思い出すことは時々あります。お仕事をしながら高校の夜学にも通っていたので睡眠時間は短かったですが、移動中にすぐに寝れるという特技は身に付きました (笑)」

 

多忙だった当時を振り返り笑みを浮かべるのは“みっちょん”の愛称で親しまれ、現在は女優として活躍する芳本美代子(55)。1985年に16歳で歌手デビューすると、アイドルながらバラエティ番組にも数多く出演。その愛くるしさとユーモラスな素顔から一躍トップアイドルに上り詰めた。

 

「歌はもちろんですが、いろいろとやらさせてもらいました。テレビでいうと“ドッキリ!”が特に印象に残っています。喫茶店で打ち合わせしていたら怖い系の方たちがいきなりマネージャーさんを拉致しちゃって……。99%ドッキリじゃないかと思っていたのですが、実際その場にいると1%の可能性が残っていると動けません。あれは怖かったです(笑)。

 

それと毎月、アイドル雑誌などに出させて頂いていたのですが、中にはチャレンジさせられる企画もあって。ニシキヘビを首に回されたこともありました(笑)」

 

デビュー同期には中山美穂(54)や斉藤由貴(57)、おニャン子クラブなどそうそうたる顔ぶれが並び、中森明菜(59)ら“花の82年組”とよく比較された。だからこそアイドル仲間たちと切磋琢磨し励まし合ってきたという。

 

「上京して高校一年生の二学期から編入したのですが、同期の佐野量子ちゃんも同じ日に入ってきて。“一緒におトイレ行こう”と話してから最初のお友達になりました。

 

明菜さんは85年デビューの私より3年先輩になり、あまりデビュー当時にご一緒したことがなかったのですが、1996年にTBSドラマ『恋物語 せつない夜は逢いたくて…変身願望」』でご一緒させていただきました。やはり凄くオーラがありながらそれでいてとても優しくしていただいた記憶があります」

 

1990年にミュージカル『阿国』でゴールデン・アロー賞演劇新人賞を受賞すると、その後は女優業にまい進。近年は舞台の演出も手掛け、昨年からは大阪芸術大短期大学部のメディア・芸術学科の教授に就任し教壇に立っている。

 

「先輩俳優の加納竜さんからご紹介を頂き始めることになりました。昨年は一年生のみを教えていたのですが、この4月からは一年生と二年生の2コマを担当させて頂いています。毎週一泊二日で大阪に行っており、内容は体を使っての表現方法などを教え、卒業公演などに出られるよう、また一人一人が自信をもってその後のステージに進めるように指導をしています。

 

学生たちは私のアイドル時代をもちろん知らないのですが、親御さんの方が“えっ、みっちょん?”と盛り上がってくださっていて。その流れで生徒たちも“みっちょんさん”や“ねー、みっちょん”などと言ってくる不届き者もいます (笑)」

 

来年には芸能生活40周年を迎える。

 

「現在は舞台や時々ドラマ、それにYouTube『みっちょんINポッシブル』を毎週金曜日に配信させていただいております。これからも地道にですがパワーアップできるように。学生を教えることとともに頑張っていければと思っております」

 

教え子が俳優として活躍する日を楽しみに待っているようだ。

出典元:

WEB女性自身

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