■グラビアで軌道に乗りCDデビューも「まったく売れなかった」
グラビアを続けていくうちに、研究の大切さを感じ、やがて仕事としても面白くなっていった。
「掲載誌を見ると私は表情が硬く、むくんでいるように見える。『ゴマンといるタレントのなかで簡単にすたれちゃう』と思い、ほかのタレントさんの写真集を買いあさって表情やポーズを研究しました」その購入数は200冊を超えた。
「そのうちスタッフがかけてくれる言葉が変わってきました。『そのポーズMEGUMIっぽいね』と。みんなでロケに行って作品を作り上げる“チーム戦”にも魅力を感じるようになって」思いがけず始めたグラビアが、好きで楽しい仕事になり、写真集を10冊以上出す人気グラドルに。
そしてテレビタレントとしてのチャンスも得る。バラエティ番組『明石家マンション物語』に出演したときのこと。
「水着を着て立ってるだけの設定でしたが、さんまさんがトーク中、私に目を向け『おね~ちゃん、胸大きいな~』と振ってくれました。でも返しを用意してなかった私はとっさに『うるせ~な』って言っちゃったんです」内心「やばい、終わった」と思ったがスタッフは大ウケ、さんまも手をたたいて笑い「なんやお前!?」。
このリアクションを機にバラエティへのオファーが増えた。そして’03年、念願の歌手デビュー。
「完成したCDを手に取ったとき、NYや東京行きの新幹線の窓から見た風景……いろんなことが思い出されました」しかし、坂本九さんの名曲をレゲエ調にアレンジしたデビュー曲『見上げてごらん夜の星を』は、オリコン最高130位と振るわず。
その後もシングル2枚、アルバム2枚を出したが「まったく売れなかった。出せば売れると思っていたのに」たった1年間の歌手生活だったが「歌の才能はない」と痛感したMEGUMIは、大きな挫折を感じていた。
だがここでもつぶれず芸能活動を続けていく。
「グラビアとバラエティという場があったからです。『ダメなら次で』と思える選択肢と、タフさが身についていたんだと思う」考えるより動いて得た仕事が、MEGUMIを生かしたのだ。
【後編】「息子を思うと感情がコントロールできなくて」MEGUMI 出産後、仕事がゼロになりうつ状態に…たどり着いた子育て論へ続く
(取材・文:鈴木利宗/ヘアメーク:KIKKU/スタイリング:ミク)