「お父さんは大丈夫だから。頑張りなよ」キンタロー。を泣かせた介護施設に入居した父の言葉
画像を見る 左から5歳のキンタロー、妹、お父さん(キンタロー。公式インスタグラムより)

 

■ついに芸人の道へ 背中を押した父の言葉

 

「天国にいるお母さんのために、頑張っている姿を見せたい」と再び夢を追い、2011年に松竹芸能タレントスクールへ入学。翌年に松竹芸能に在籍し、その年末に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)内の『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』で優勝したことをきっかけに、わずか芸歴1年目でブレークを果たす。

 

しかし当時、自身が芸人になったことを父親に伝えていなかったという。

 

「前田敦子さんのモノマネには批判の声も多く、お父さんが傷つくのではと、なかなか言い出せませんでした。

 

久しぶりに施設で面会したとき、勇気を出して、『実は芸人やってて、名前も売れ始めてる。笑点(日本テレビ系)にも出たんだ』って言ったら『知ってたよ』って。

 

『心配しなくていいよ。お父さんは大丈夫だから。頑張りなよ。やりたいことだったでしょ』って言ってくれて……。泣けました」

 

妊娠・出産の休養期間を経て再ブレークしたキンタロー。さん。

 

再ブレークの要因は、芸能人以外のキャラも積極的に演じる、レパートリーの広さにあるといえるだろう。

 

その中の1つ「天才子供トランぺッター」を始めたきっかけには、意外な思いが隠されていた。

 

「感動したんですよ。コロナ禍の2022年に開催された、北京オリンピックの開会式で、『あんなに小さい子が、大舞台で胸を張ってラッパを吹いてる』と思って。『これはみんなに知らせなくちゃいけない!』と使命感に駆られてネタをやりました。自分の悪い癖で、笑わせたいという思いも、前面に出てしまってますけど(笑)」

 

そんなキンタロー。さんは2015年に、番組きっかけで知り合ったテレビディレクターと結婚。今では、2歳と4歳の女の子を育てる母だ。

 

「出演番組を一緒に見ていると、アンジーの『トゥームレイダー!』を子供がマネするんですよ。でもまだ完璧にできなくて、『ちゅんめる!』って言ってるのがかわいいです」

 

「孫はまだか」といつも心配していた父は、2015年に他界。孫の姿を見せることは叶わなかった。

 

「あまりに父が心配するので、結婚前は『ハワイの恋人がいるから安心して』と謎の嘘をついていたほど。娘たちが、ママを受け継いでちゃんとモノマネしているところ、天国の両親まで伝わっているといいなと思います」

 

2人の娘は、「ママに似て表情筋が豊か」とよく言われるそう。

 

父のくしゃみから始まったモノマネ芸人の道が、キンタロー。2世に伝わる日が来るかもしれない。

 

(取材・文:インタビューマン山下)

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