いじめ、2度の離婚、洗脳生活…半生を語った熊谷真実(撮影:花井知之) 画像を見る

45年前に連続テレビ小説『マー姉ちゃん』で、ヒロインを演じて人気を博した熊谷真実(64)。

 

近年も、静岡県浜松市への移住、63歳で3度目の結婚など、話題に事欠かないが、実はこれまで語っていなかった“壮絶な体験”が。40代の10年間、ある女性に依存し、精神的に束縛される生活を送っていたというのだ。

 

何度も逆境に見舞われながらも、常に“喜び”を探し続けてきた彼女の原点とは――。

 

「この時間ですから、きっとまだお昼ごはんを召し上がっていないと思って、お弁当を用意したんです。無添加で、国産、自社農場の野菜など安心な食材を使用している、浜松では有名なお弁当屋さんなんですよ」

 

静岡県浜松市内のカフェで、記者やカメラマンのために弁当やサラダまで用意して待っていたのは、女優・熊谷真実(64)だった。

 

話し好きなのか、すすめられた弁当を食べているあいだも、

 

「このカフェに来る途中の、うっそうとした木々の風景にほれ込んじゃって。もともと前の夫の実家が浜松にあって、コロナ禍で……」

 

切々と“浜松愛”を訴えたかと思えば、

 

「ごめんなさい。インタビューを録音する前からしゃべっちゃまずいですよね。あ、携帯電話がない! 私よくやっちゃうんです。ちょっと捜しに行きます」

 

と、席を立つ。とにかく賑やかなのだ。

 

現在は浜松市に拠点を置き、東京と行き来している。浜松では地元企業のCMにも出演しており、今回の取材場所になったカフェ「(R)EANDY」(リアンディ)では、スペースの一部を間借りしてセレクトショップも展開している。

 

「’20年のコロナ禍による緊急事態宣言で、出演する予定だった舞台が3つもとんで、私の還暦祝いのパーティもなくなりました。東京では家賃35万円の家に住んでいました。でも3カ月もすれば収入もないのに家賃だけで100万円以上になっちゃう。それで’20年8月に浜松に移住しました。すんなり物件が見つかったのは“浜松に呼ばれた”からかな(笑)。

 

海も川も山へも車で30分あれば行けてしまう自然豊かなところもすごく気に入って。前夫とは’21年に離婚したけれど、そのまま住み続けています。移住直後、もし女優の仕事がなくなったときのことも考えて、玄米ご飯やスムージーなどをキッチンカーで販売することも計画していました。

 

そんなときにこのカフェの社長からセレクトショップをオープンするという話を持ちかけられたのです。社長いわく『全国の仕事先で、気に入った洋服や雑貨を見つけたら、ここに置いてもらえませんか?』と。かっこよく言えばバイヤーかな(笑)。店名は『Windy Lady』。このお店の名前も私が付けました。冬の浜松に吹く“遠州の空っ風”は、私にとって、嫌なこともすべて吹き飛ばしてくれる風ですから」

 

昨年には8歳年下の会社経営者の男性と3度目の結婚を果たし、63歳にして水着で週刊誌のグラビアに登場。今年4月には所属事務所からの“寿退社”をYouTubeで発表したかと思うと、6月には結婚パーティでのウエディングドレス姿を披露した。

 

自由で軽やかな彼女の生き方には、2度の離婚や母の死、そして10年に及ぶ“洗脳”生活を乗り越えた経験が生かされていた。

 

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