「学園内で行われるデスゲームを描いた作品で、予告編でも日本刀を持つビジュアルや返り血を浴びた姿で銃を構えるシーンなど衝撃的な映像が流れます。もちろんそれも見どころの一つですが、いまの社会で失われているものを取り戻せる作品だと思います」
新ショートドラマアプリ「UniReel」にて配信中のショートドラマ『最期の授業-生き残った者だけが卒業-』で主演を務める八木勇征(27)。演じるのは、卒業式の前日、《みなさんに殺し合いをしてもらう。生き残った人間だけが卒業できる》と言い放ち、最期の授業という名のデスゲームの始まりを宣言する音楽教師・丸山武だ。狂気に堕ちた教師を演じるにあたって心がけたことは、“視点”だったと振り返る。
「自分がどんなことに対して恐怖を感じるのか。僕は、視点が定まってない人が怖いと考えました。たとえば、昨日まではちゃんと目を合わせて話していたのに突然、目が合わなくなるとか、そういう変化に気づいたときに恐怖を感じます。だから、冒頭のシーンは、生徒たちに向かって言っているようで、実はピアノを見ながら言っているんです。丸山は、自分自身が怖いと思うことの詰め合わせです(笑)」
また、撮影中は生徒役の俳優たちといっさい会話をしないようにしていたとも。
「いままでは、共演者と積極的に会話をしてしっかりコミュニケーションを取るようにしてきましたが、今回は、監督とも話し合い、生徒役の子たちとの関係を断つことにしたんです。4日間の地方ロケでは、カメラが回っていないときも会話を控えて。それがいい意味で緊張感を生み出したと思います」
主演作が次々と舞い込み、役者としての評価が上がっているが、「本業は表現者」と八木。
「音楽と芝居の二軸でやっていくと考えていた時期もありましたが、どちらも表現することには変わりない。表現という一本の大きな木があって、そこにアーティストと役者の2本の太い枝が伸びていっているような感覚ですね」
さらに、自分自身の変化も感じている。
「顔が変わってきたというより、たたずまいですかね。自分は意識していないのですが、『堂々としている』と言ってもらえることが増えました。少し自信がついたのかもしれません」
スマホで撮影し、スマホで見る縦型本格ドラマ。FANTASTICSのメンバーも注目している。
「特に、メンバーの(佐藤)大樹くんは『縦型ってどういう感じになるの?』って前のめりになって聞いてくれました。横型の動画に比べていきなりパッと全体の映像が入ってくる。画力がすごいです」
今回は、クリスマスをイメージした撮影に臨んでくれたが、年末年始の過ごし方は?
「メンバーか、仲のいい役者仲間とイルミネーションを見たいですね。景色でも、人工的なものでもいいんですけど、美しいもの、癒されるものを見に行きたいですね」
(ヘアメーク:福田翠/Luana、スタイリング:中瀬拓外/PICK)