「漫画として描いたら気持ちがスッキリしてきた」熟年離婚の顛末を配信中の楠桂さん “サレ妻”をテーマにした執筆依頼も急増中
画像を見る 不倫発覚などの悔しさがよみがえってきて、執筆中に号泣することもあるという楠桂さん(撮影:花井知之)

 

■「想定外のヒットで『やっぱりウチでも描いてください』というオファーが」

 

「同居していた両親がすでに他界し、2人の子供も一人暮らし。元夫の部屋も断捨離して、家はガランとしています。トイレが3つもあるのですが、使わないと汚れるので、まんべんなく使って掃除しています(笑)。

 

でも隣に住む姉とは毎日、アトリエで顔を合わせるので、一人暮らしでも孤独死して放置されることはなさそうですね」

 

一日の多くを執筆に費やし、創作に向き合っている。『サレ妻漫画家の旦捨離戦記』は、その過激な内容から、出版社に企画を持ち込んでも断られたこともあったという。

 

「想定外のヒットで『やっぱりウチでも描いてください』というオファーがあったりします。さすがにお断りしていますが(笑)」

 

漫画化に猛反対していた元夫も、いまでは観念しているという。

 

「自分が悪かったから、漫画に描かれることは受け止めているようです。元夫とはまだ家族LINEでのつながりはあって、子供たちが実家に帰ってくるときは、『オレも顔を出す』と言ってきます。他人になると、関係性も変わってくるものなんですね」

 

現在は連載の5話目を執筆しており、配信が待たれるところ。

 

「不倫漫画連載をきっかけに、サレ妻をテーマにした漫画依頼なども増えていますが、まずは、いまの作品を最後まで描き切ることが目標です。愛人から訴えられて配信が止まってしまう可能性もあるので、みなさん、早めに読んでください(笑)」

 

不育症に不倫されての離婚……、どんな苦悩も原稿用紙に表現してきた楠さん。そのキャラクターたちが読者を魅了するのは、喜びや楽しみだけではなく、怒りやしみといった感情もしっかり込められているからなのだろうか。

 

彼女はこれからも漫画家としての人生を歩み続ける。大きく、たくましい楠のように――。

 

(取材・文:小野建史)

 

画像ページ >【写真あり】流産・死産のつらい経験を描いた『不育症戦記』(他4枚)

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