■4人だけで会ってわだかまりが消えた
当時ほとんどの曲でリードボーカルだったMINAさんの脱退はグループにとって痛手だった。
「さらにショックだったのが『じゃあ、私たち3人で頑張って歌います!』って事務所に言ったんです。そしたら『ダメだ』って言われて。『うそでしょ?』って(笑)」
沖縄アクターズスクールの後輩であるAKIさん(44)を迎え、活動を再開することに。
「でも、AKIちゃんは自分で作詞や作曲をやっていきたいという思いがあったので……。そんなとき、美奈子が沖縄で芸能活動を再開したんです。ファンの人からも最初の4人が見たいという希望も感じていました。『まずは沖縄で1回4人で会ってみよう』って。それで会ってみたら、不思議とすっと昔の感じに戻れたんです」
2008年にMINAさんが復帰。6年のわだかまりを乗り越え、グループの在り方も変わった。
2011年にはREINAさんが、結婚・出産を機に脱退。その後、3人体制で発表した『Tacata』は、耳に残るリズムと歌詞が話題となり、YouTubeでは1カ月で100万回再生を超えるなど大きな話題となった。2017年にREINAさんが復帰。復帰を前提とした活動休止という柔軟なスタイルが確立した。
■「MAXがここにいるよ」息子がママをアピール
一方のNANAさんは2016年に結婚し、2019年に男児を出産。出産からわずか半年ほどで復帰したが、まったく体形が変わっていないように見える。
「ずっと抱っこで歩くことも、筋トレになっている感じです。それに子供ってすごい足も速いじゃないですか? わーって走ったらすぐにダッシュで追いかけて毎日走って。育児しながら鍛えてます」
子供にとって、NANAさんは自慢の母親のようだ。
「『TORA TORA TORA』とかを歌うんです。しかも、人が多いところですごい大きい声で歌いだして『シィー!』ってなることも。急に私のマスクを外してきたりもします。『MAXがここにいるよ』みたいな感じかな。私がまわりに気づかれるのが、おもしろいみたいです(笑)」
今やメンバーの4人中3人がママとなったMAX。メンバーがスタジオに子供を連れてきて、託児所のような雰囲気になることも。それでも、活動の核が音楽であることはずっと変わらない。
「昨年、『Lovin Me』という曲を出したんですが、今の自分たちの気持ちを込めた歌詞なんです。いろんなところで歌うと、同世代の人が涙してくれるんですね。自分たちがこの年代で歌って踊っていくこと自体がメッセージになることをすごく感じています。
今はメンバー全員が60歳になるまで、還暦MAXを目指してます。私は来年50歳なんで意外と10年後なんですよね(笑)」
(取材・文:インタビューマン山下)
【PROFILE】
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人、ライター、「山下本気うどん」プロデューサー、個人投資家、ファイナンシャルプランナーとして活動中。
画像ページ >【写真あり】1996年、MINAの家でデビュー間もない4人を取材(他3枚)
