■「ここまで本気で取り組むなんて思わなかった」母の言葉が背中を押した
35歳で晴れて高校を卒業。卒業式には母親も出席した。
「17歳で高校を中退したとき、母に『高すぎた授業料だった……』と言わせてしまったんです。芸能活動に専念するために中退し、芸能活動ができたので後悔こそありませんが、母には申し訳ない気持ちがずっと心に残っていました。そんな中で迎えた卒業式で、母が『時間をかけて、ここまで本気で取り組んで高校を卒業するなんて思わなかった。この年で高校に入学する決断をしてやり遂げたあなたを、お母さんは誇りに思う』って言ってくれたんです。それが本当に大きな励みになって……。母が喜んでくれたことが、もっと学びたいという気持ちに火をつけてくれました」
「もっと学びたい」、スザンヌはさらに大学進学を決意する。
「“知る”って楽しい、と思ったんです。学ぶほどに、もっと知りたいという気持ちが強くなっていきました。仕事でずっとファッションに関わってきたこともあって、古着をリメイクして販売することを、いつかやってみたいと漠然と思っていて。そのビジネスの仕組みなどを、きちんと勉強したいと考えるようになっていたんです」
オンラインで講義を受けられ、キャンパスにも足を運べること。そして、興味があったビジネスが学べること。そうした条件を満たす場として、日本経済大学経営学部を選んだ。大学進学は誰にも相談せず、すべて自分一人で決めた。
「学ぶことで得られる知識があって、先生や母など喜んでくれる人もいる。息子にも、何か伝えられているのかもしれないと感じるようになりました。そして、自分の夢のためにも、もっと頑張りたいという気持ちで大学に進学しました」
母の「誇りに思う」という言葉、そして自分の手でつかんだ高校卒業という経験。それらが重なり合い、35歳の春、大学進学という新たな挑戦へと踏み出したのだった。
【中編】「完璧な母を目指すのはやめた」スザンヌ 35歳からの大学生活で気づいた“子育てへの学び直し”へ続く
画像ページ >【写真あり】芸能活動に専念するため、高校を中退した17歳のころのスザンヌ(他1枚)
