■心がけたのは「私がごきげんでいること」
いっぽうで、“諦めた”ことも。たとえば家の中は常にごちゃごちゃだったそう。泥棒が入ったのでは、と思うほどのこともあったが、誰かに見られるわけではないし、息子のまわりさえ清潔であればいいと割り切ることにした。
「在学中にもっとも心がけたのは、『私がごきげんでいること』。忙しいからってピリピリしていたら、学んでいることがマイナスだと子供に伝わってしまうし、親子2人の生活ですから息子も逃げ場がなくなってしまいます。だから、ごきげんでいるために、ありとあらゆることを諦めました」
食事も、外食や弁当を利用したり、朝食をカップラーメンで済ませた日もあった。
「機嫌が悪いまま体にいいものを食べるより、買ってきたお弁当を2人で楽しく食べるほうがいいと思ったんです。息子も『イライラしながら食べる手料理より、楽しく食べる唐揚げ弁当のほうがおいしい』って言ってくれていたので。それでいいじゃんって思えたんです(笑)」
息子の学校の準備にも、以前ほどは時間をかけられなくなっていた。
「体操服にゼッケンをつけるときも、時間がなくてガタガタになってしまったり、白い服に間違えてネイビーの糸で縫ってしまったことも。でも、『これでいいか』って。完璧なお母さんを目指すのはやめました。部屋が片づいていなくても、ゼッケンの糸の色が違っても、息子と毎日楽しく過ごせればそれでいいかという気持ちです」
そして、学び直しは「母親としての自分」への向き合い方も変えていった。
「息子も小学校高学年になり、少しずつ手が離れていくのを感じて、寂しさを感じていました。母親としての役割の終わりを感じるというか。でも、息子には息子の人生があって、私にも自分の人生がある。この先は、母としてだけでなく、一人の人間としてこの学びをもっと深めていこうと、前向きに捉えられるようになったんです。子育てに費やしてきた情熱を、学びや起業に向けられるようになったのも、このころからですね」
その後、起業ゼミでの学びをきっかけに、アパレルブランドの立ち上げや地元での事業にも挑戦することになる。
「いくつになっても学ぶことは楽しいと思えたし、挑戦するのに遅すぎることはないと実感した4年間でした」
“ごきげんでいること”を軸に、仕事も学業も子育ても諦めずに走り抜けた“学び直し”の日々。完璧でなくても、前へ進み続けることが、自分の新たな道を切り開く力になっていた。
【後編】《芸能界のツテも使わず》スザンヌ 地元・熊本の旅館を1.5億円で買収、経営に奮闘…30代からの学び直しでついた「覚悟」へ続く
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