2009278studiocoast1_3オバマ大統領就任公式祝賀イベント「Be The Change」に、カニエ・ウェストらとパフォーマンスを行ったフォール・アウト・ボーイ(以下FOB)。すっかりセレブリティーの仲間入り(!?)を果たした彼らが、このイベント後まもなくしてジャパン・ツアーのため日本へやってきた。昨年12月10日にニュー・アルバム『フォリ・ア・ドゥ FOB狂想曲』を発表、それからまだたったの2ヶ月ほどしかたっていないというのに、4公演はすべてソールド・アウト。ただいまエモファン、ヒップホップファン、ロックファンと様々なジャンルのファンから絶大な人気を得ているFOBは、一体どんなライブをみせてくれるのか?外は冷たい木枯らしが舞うなか、首からタオルを下げた通称タオラーらとともに、足早に会場へと向かった。

 

1_2 オープニングアクトに登場したのは、フロリダ・マイアミ出身紅一点のボーカル、キャサディー・ホープ率いる「ヘイ・マンディ」。まだ愛い愛いさが残る、高校生バンドといった感じだ。メインアクトのFOBの登場を前に、観客のボルテージがこのキャサディーによって徐々に高められていき、隣でみていた外国人ファミリーは、息子くんを中心に子供たち全員「Iwant you~」「I love you~」「You areso sexy!!!」と、すでに大興奮していた。30分ほどのショーが終っていよいよFOBの登場だ!

18時55分、場内がパット暗転すると、満員のフロアーから大歓声と手拍子が沸き起こった!ステージ左にギターのジョー、中央にボーカルのパトリック、右にはこのバンドのフロントマンともいうべきべースのピート、よく観るとピートの目には最新アルバム『フォリ・ア・ドゥ FOB狂想曲』の中写真にあるようなブルーのアイライナーが、遠くからもはっきりとわかるくらい濃く入れられている。そしてステージ後方に設置されたドラムセットにアンディーが鎮座すると、いよいよショーはスタートした。1曲目は2ndアルバム『Infinityon High-星月夜』からTHANKS FR TH MMRS。パトリックのぽっちゃりとした顔のかわいいイメージからは想像できない、低くて伸び伸びとしたボーカルが会場内に響き渡り、ジョーもピートも1曲目から激しい動きを繰りかえした。

観客も彼らに合わせてどこからともなく自然発生的にモッシュ・ピットが作られ、会場内の空気は一気にヒートアップ!ベースを弾きながらピートはピースマークを掲げ、そのまま2曲目のTHRILLERへ突入。ドラムのアンディーは、そういえば最初から上半身裸?で激しくビートを刻み、ギターのジョーも、髪が伸びてブロッコリーのようになってしまった頭を振り乱し、観客を煽り続けた。2「N.Y,へ、シカゴへ、L.A.へみんなを連れてくぞ~」とかなんとか、観客の大歓声に掻き消されてしまってよく聞き取れないピートのMCにつづいて、現在もヒットチャートイン中の黒人女性歌手、エステラのAMERICAN BOYをちょこっとカヴァーしてみせた。そのまま続けて、デビューアルバム『FromUnder the Cork Tree』からのシングル曲SUGER、WE’RE GOING DOWNへ。なんとここでサプライズ!最後のワンフレーズにオープニングアクトで登場したキャサディーが飛び入り参加した!マイクを高く持ちながら歌うキャサディーが、見つめるその先をみてみると、2階席最前列の観客が、興奮した様子で今にも1階フロアーへ落っこちそうだ。左手は拳を突き上げながら、ステージと観客が一緒になって、大合唱を繰り広げた。メンバーに特別イケメンがいるわけではない(失礼!)FOBだけど、観客の中には、キャサディーのような女の子たちの姿もたくさんみえた。I DON’T CAREはラジオでもTV でも相当オンエアされている曲だけあって、誰もが「待ってました」といわんばかりに、一段と声を大にして「アイ、ドント、ケア~!」と熱唱!なんとこの曲で場内が暗くなると、ギターとベースのボディーが暗闇に光るという面白い演出がみられた。

「この曲知ってたら、叫んで~!」と言って聴こえてきたのは、かの有名なギターリフ。アルバムではボーナス・トラックとして収録され、ジョン・メイヤー(余談ですが、むかし横浜の高校に留学していた経験あり)がギターで参加したBEAT ITだ。FOB風のアレンジが超COOL!パーカーの黒いフードを被ったまま、ピートは淡々とベースを刻み、スピード感と、エネルギー溢れたライブで、マグマ級の盛り上がりをみせていた。

3_2アンコール2曲目SATURDAYで、ピートはベースを代役に手渡すとその着ていたパーカーを脱ぎ捨て、そのままファンが待ち構えるフロアの中へとダイヴ!ピートのダイヴは恒例となっているようで、もみくちゃにされてなんだか嬉しそう!そんなピートを助け出そうとしていたのは、巨漢の黒人ボディーガード。ライブの途中で、ステージに上がりラップをしてみせていたあの巨漢の黒人とどうやら同一人物のようだ(笑)。前回の来日から比べてちょっとポッちゃりしてしまったパトリックが、汗をかきながら一生懸命に、力を振り絞って歌いあげると、約1時間強のショーは興奮さめやらないファンを前に、大声援のなか幕を閉じた。

 

経済状況の悪化もあって、小さな規模のステージにならざるおえないと、雑誌のインタビューで答えていたパトリック。今回は、4日で4公演連続というハードなスケジュールのなか、ステージセットは確かにシンプルだったけど、その何倍もワイルドで熱いパフォーマンスを見せつけ、集まったファンを魅了していた。この日本での人気振りを目の当たりにしたら、「次回はこの近さでFOBを観ることは不可能なんじゃないか?」と、今夜のライブがとても貴重に感じられた。

会場の外へ出たら、あちらこちらから「ヘ~ックション!!」とくしゃみをする声。汗をかいた体に冷たい風は禁物!ライブの後は風邪をひかないよう、ご注意を(笑)

 

PS:昨年の5月に結婚した、ピートのラブリーワイフ、アシュリーも一緒に来日していたとか!姿をみせて欲しかったな~!

【撮影:Kentaro Kambe】


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