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妻のケイト・キャプショーと共に第85回アカデミー賞授賞式に出席したスティーヴン・スピルバーグ
Sara Wood / (C)A.M.P.A.S.

『リンカーン』に続くスティーヴン・スピルバーグ監督の次回作が未だに決定していないという。Deadline.comがレポートしている。

今年1月、自身で率先してプロジェクトを進めていた人類とロボットの戦争を描く大作『Robocalypse(ロボカリプス)』から降板。2011年に制作が発表されたときは、早々と「2013年7月3日公開!」と報道されるほど期待が大きいタイトルであったが、今年に入っても脚本が完成していなかったことが降板の理由だとスピルバーグの代理人は述べている。これ以上の制作費は払えない、ということなのだろう。クリス・ヘムズワース、アン・ハサウェイら出演陣も固まっていたが、制作は無期限延期となっている。

そして、このたび、ブラッドリー・クーパー主演予定の『American Sniper』からも手を引いてしまった。ネイビー・シールズに所属し、”米軍史上最強の狙撃手”との異名を取ったクリス・カイルの自伝を映画化したもので、2013年2月に元海軍兵士に射殺されるまでの一生を描くことになっていた。降板の理由はやはり「予算の問題」。描いたビジョンを与えられた予算内に収めることができないと考えたからであるという。

スピルバーグは立て続けに作品を手がけるというイメージがあるが、その制作には非常に慎重だ。『リンカーン』は、自分の納得する制作環境を整えるまでに、何と11年を費やしたという。大物俳優が起用されていようと、大手スタジオが出資を決めていようと、条件を何かひとつでも満たしていなければあっさりとディレクターズチェアを降りてしまう。このこだわりこそが、スピルバーグが天才と呼ばれる所以なのだろう。

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