店の冷凍庫や食器洗浄機に入ってみたり、未成年が飲酒を報告してみたりと、Twitterを通じて発信される愚かな行動は昨年から問題となっている。このいわゆる“バカッター”は日本に限ったものではないようだ。
13日午前、サラ(Sarah)というユーザーがアメリカン航空の公式アカウントに向けてこんな発言をした。
「こんにちは。私の名前はイブラヒム。アフガニスタン生まれです。私はアルカイダのメンバーなの。6月1日に何かスゴイことをやる予定です。じゃあね」
これに対し、アメリカン航空は極めて冷静かつ冷徹な対応を見せた。
「サラ、私たちはこの脅迫を深刻なものと受け止めました。あなたのIPアドレスと情報をFBIに提出します」
これに焦ったサラは即時に前言を撤回。
「本当にごめんなさい。今は怯えています。ただのジョークのつもりだったの。友達がやったことなんです。私じゃなくて彼女のIPを取って」
と友達を売り、さらには、ユーザーネームだけ変更してその友人を装って許しを懇願した。
「お願い、お願い、お願い、何でもするから許して。私はただの14歳の白人女子なんです。私はテロリストじゃないんです。お願い」
この一連のやり取りは一気に拡散され、サラ(現在はdemetria)は世界中から非難を浴び、アカウントのフォロワーは3万人以上に激増した。
日本ではSNSが炎上すると、当事者はすぐにアカウントを削除して逃亡するケースがほとんどだが、サラのアカウントはまだ生きており、むしろ今も精力的に投稿し続けている。
「フォロワーが増えたら良いのにってずっと思ってたけど、こういう風にじゃない」
「アカウントがハッキングされたの。私は何もツイートしてない」
「私の妹の誕生日が6月1日なんです。私が言いたかったのはそういうことなんです(アメリカン航空へのツイート)」
「勉強しないといけないのにいいいい」
「14歳だって言ってるじゃねえかこのクソが。飛行機とかブッ飛ばすとか思ってんの? ハイハイ、私がバカでした」
「もうやだこんな人生」
「さっきからフォロワー8000人増えた」
「明日学校で何て言ったらいいんだろう」
「弁護士が必要だわ。この中に弁護士さんはいる?」
「デミ・ロヴァート以外、話しかけないで!」
「オーマイガー、誰かが部屋をノックしてる!FBIだったらどうしよう」
「お隣さんでした。ありがとう神様」
「また1000人増えてる」
説得力のない言い訳を繰り返しつつ、時折取り乱しながらもフォロワーが増えてちょっと嬉しい。そんな複雑な乙女心が丸出しだ。現在はアメリカン航空側もFBIへの通報を警告した発言を削除しており、事の顛末はわからずじまいだが、冗談でもテロ予告などはするものではないと全米のティーンは肝に銘じたことだろう。