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(C)FOX

 

オーディション番組の先駆けとして、多くのアーティストを輩出してきた米FOX製作の『アメリカン・アイドル』が2016年にフィナーレを迎えるシーズン15をもって終了することがわかった。

 

『アメリカン・アイドル』は2002年に放送スタート。開始当初は歯に衣着せぬ物言いでたびたび物議を醸したサイモン・コーウェル、グラミー歌手のポーラ・アブドゥル、音楽プロデューサーのランディ・ジャクソンの3人が審査員を務めた。審査員の顔ぶれは何度も変わり、エレン・デジェネレスやマライア・キャリー、ニッキー・ミナージュ、スティーヴン・タイラーなどが審査員席に座ってきた。現在のメンバーはジェニファー・ロペス、キース・アーバン、ハリー・コニックJr.の3人。シーズン1から司会を務めてきたライアン・シークレストは今も続投中だ。

 

歴代の優勝者には、カントリー歌手のケリー・クラークソン、キャリー・アンダーウッド、ジョーダン・スパークスなどがいる。また優勝を逃したものの、シーズン3のジェニファー・ハドソンは『ドリームガールズ』でアカデミー助演女優賞を獲得、シーズン8のアダム・ランバートはクイーンのボーカリストに抜擢されるなど、めざましい活躍をしている候補者も少なくない。

 

『アメリカン・アイドル』の成功により、2010年前後はオーディション番組が最盛期を迎える。『X-ファクター』や各国で『ゴット・タレント』シリーズが製作され、スーザン・ボイル、ワン・ダイレクションらを輩出。さらには『アメリカン・ダンス・アイドル』や『アメリカズ・ネクスト・トップモデル』、『プロジェクト・ランウェイ』といった、音楽以外の分野でも多数の素人参加型番組が作られるようになった。

 

『アメリカン・アイドル』はオーディションというカルチャーを確立し、牽引してきた。しかし、ここ数年の視聴率の低下は看過できないものになっており、ついに、その幕が下ろされることとなってしまった。

 

2010年に番組を卒業したサイモン・コーウェルは「とても楽しい経験だったよ。僕、ポーラ、ランディ、ライアン、そして忘れちゃならない(シーズン1でシークレストと共に司会を務めた)ブライアン。ファンのおかげで良い番組を作ることができ、最高のアーティストを発掘できた。FOXにとってはこれまでにないタイプの番組を作るということはリスクだっただろう。素晴らしい機会を与えてくれたことに礼を言いたいよ」とE! Newsでコメントした。

 

番組の終了には寂しさを禁じ得ないが、これまでに出演してきた候補者や審査員、そしてメンターらが一堂に会することが予想されるグランドフィナーレには、早くも大きな期待が寄せられている。

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