オーストラリアのテレビ番組で政府への不満を言い募ったアンバー・ハード
(C)ET online
ジョニー・デップの妻アンバー・ハード(29)が、申告せずに飼い犬をオーストラリアに持ち込んだ容疑で正式に起訴された。有罪となれば、最高で懲役10年の刑が言い渡される可能性もあるという。
ことの顛末を簡単に振り返ってみよう。
5月、デップ夫妻は「パイレーツ・オブ・カリビアン」最新作の撮影のために、プライベートジェットでオーストラリアへ向かった。このとき二人はハードが溺愛する二匹のヨークシャーテリアを無断で持ち込んでいた。オーストラリアには疫病の蔓延を防止するために、動物の輸入には厳しい規則が定められており、10日間の隔離と許可証の申請が必須とされている。税関をかいくぐって犬を連れての入国に成功したものの、現地のトリマーが「ジョニー・デップのワンちゃんよ!」と写真つきでSNSに投稿したことから“密輸”が発覚。二匹は殺処分こそ免れたが、即刻米国へ持ち帰ることが厳命された。
オーストラリアの農林水産大臣バーナビー・ジョイスが「我々は大抵のことには鷹揚ですが、バイオセキュリティに関してはそうはいきません」と記者会見で語ったように、オーストラリアは環境と自然の保護に重きを置いており、病気や害虫の侵入に対して非常に敏感だ。入国前には入国用乗客カードが渡され、食品、植物・動物製品を所持している場合は「YES」に印をつけて提出しなければならない。申告すると検疫官に当該品を提示する必要がある。デップ夫妻はこのカードの「NO」にチェックを入れて提出した可能性があり、その場合は文書偽造罪に問われ、1年の懲役と7,500ドルの罰金が科せられる。さらに、明確な密輸の意志があると認められてしまうと、最高で懲役10年と75,000ドルの罰金刑が言い渡されるという。
殺処分の最終期限72時間前に犬は命からがらプライベートジェットで出国。一連のオーストラリアの対応は、ハードの腹に据えかねたようで「オーストラリアの政府は注目を集めたかったんでしょ? もうこれからは私たち、オーストラリアはできるだけ避けることになると思う。ある政治家のおかげでね」とテレビ番組にコメントした。
しかし、そう避けてもいられないようだ。豪政府はハードに対し、9月7日にクイーンズランド裁判所に出頭するよう命令。ジョイス大臣は、ハードが有名人であっても、いかなる特別待遇もしないと主張している。