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PANTONE

夏を前に、模様替えを考えている人は多いだろう。壁紙やシェードの色に迷っているなら、パントン社の色見本帳にある「448C」だけは避けた方が良さそうだ。

2012年、オーストラリア政府は市場調査会社GfKに、タバコの新パッケージ案の策定を依頼した。こういったプロジェクトは、通常であれば販売促進が狙いだが、この場合は「いかに売り上げを減らせるか」がミッションだった。

GfKは3か月を費やして7つの研究を進め、同時に1,000人以上の喫煙者を対象に「タバコのパッケージに使われていたらイヤな色」を聞き取り調査。その結果、「タール」「泥」「死」を連想するとして「448C」がワースト1位、つまり「世界一醜い色」と認定されたのだ。

オーストラリア政府は「448C」を「オリーブグリーン」と名付け、タバコのパッケージに採用することを発表したが、国内のオリーブ協会が猛反発。これを受けて「ドラブ(くすんだ)・ダークブラウン」と改名された。

この色は早速オーストラリアのタバコに採用され、目に見えて売り上げは減っているという。先月にはイギリスでもドラブ・ダークブラウンをまとったタバコが登場。喫煙者の減少に期待がかかっている。

パントン社の広報は、「我が社においては、全ての色は我が子と同義。みんな平等だと考えています」とかわいそうな448Cを擁護するコメントを出した。この色のおかげでタバコに手を出す若者が減り、喫煙者全体の大幅なボリュームダウンに繋がれば、「世界一醜い」ではなく「世界一役に立つ」色と呼ばれる日が来るかもしれない。

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