CBSの動画より https://twitter.com/i/web/status/822517045162020869
ついにドナルド・トランプが第45代合衆国大統領に就任した。ポピュリズムに終始したスピーチは史上最低との評価を下され、式典の聴衆よりも翌日のデモ参加者の方が多いという前途多難な船出となった。
トランプ大統領は、娘婿であるジャレッド・クシュナー氏を上級顧問に指名。この人事は半縁故法には抵触しないと司法省が認めたが、親族を政権の中枢に取り立てる姿勢がトランプ反対派の反発を招いていることに疑いはない。トランプファミリーへの容赦ない偏見と攻撃は末の息子であるバロン(10)にも及んでいる。
人気テレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」の脚本家はTwitterに「バロンはこの国初の、学校銃乱射事件を起こすファースト・チャイルド(大統領の子ども)になる」と投稿。この心ない発言は瞬く間に拡散され、当該ツイートは削除された。
選挙戦中の共和党大会や勝利宣言の舞台で、求められた握手を無視したり、つまらなそうにあくびをしたり、といったバロンの行動が「自閉症ではないか」という憶測を呼んでいた。しかし、バロンはわずか10歳。背も高く、大人びて見えるがまだ小学4年生の少年なのだ。就任式後の執務室では、甥(異母姉イヴァンカの息子)に「いないいないばあ」をしてあやしながら、楽しそうに笑う様子もキャッチされている。
「世界一注目を浴びる10歳」になってしまったバロンの境遇を最も理解し、心情をくみ取れるのは同じ立場にあった人間だけだ。ビル・クリントン元大統領の娘チェルシーが22日朝、Twitterに意見を投じた。
「バロン・トランプは、すべての子どもが持つチャンスを与えられるべきです。それは『子どもらしくいられること』。すべての子どもたちのために、子どもを傷つけるトランプ大統領の政策に対し声を上げましょう」
父親の攻撃的な発言は、反トランプ派の反発を経て跳弾のように息子を攻撃する。世界一の権力を持ってしても、我が子が傷つくことを防ぐことは出来ないのだ。チェルシーは12歳のときにホワイトハウスの住人となった。一挙手一投足が耳目を集め、モニカ・ルインスキー事件ではひどく傷つけられた。そんな彼女だからこそ、バロンの現状を看過できなかったのだろう。