一昨年、ハリウッドを皮切りに世界中に拡がった「MeToo運動」。その“震源地”とも言える、ハーヴェイ・ワインスタインのオフィスがついに他人の手に渡った。ある家具を除いて。
大物映画プロデューサーとして、長年ハリウッドを牛耳ってきたワインスタイン。役をちらつかせ、多くの女優を性的に搾取していたことがわかり、彼の帝国は崩壊した。
ロバート・デ・ニーロが経営するレストラン「トライベッカ・グリル」の上階にあったワインスタインの巨大オフィスも1,000万ドルで売りに出された。550平方メートル超、シャワーを備えたバスルーム付きの物件は、余りにもかつての持ち主の悪名が高いためになかなか買い手がつかず、結局600万ドル(約6億6千万円)で不動産開発業者ケイプ・アドバイザーズに売却されることが決定した。
そこで気になるのが、オフィスにあったソファの行方だ。ハリウッドでは、昔から「キャスティング・カウチ」という悪習が受け継がれてきた。女優がキャスティングの権限を持つ大物のオフィスにあるカウチ(ソファ)でセックスをすることと引き替えに役をもらっていたことが語源だ。ワインスタインも多分に漏れずカウチを活用していたと、『恋に落ちたシェイクスピア』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』に出演した女優が証言している。
この悪名高いソファは新しい持ち主により、あっさり廃棄されたようだ。「あれはもうない。捨てたよ」と買い手に近しい情報提供者がニューヨーク・ポストに語ったという。