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米ニュージャージー州にある高級カントリークラブで、顧客のバッグにワインをこぼした責任を巡って訴訟騒ぎが起こっている。

 

舞台となっているのは、州北部デメレストに位置するアルパイン・カントリークラブ。会員になるには、入会金65,000ドル(約708万円)を支払い、年会費も19,000ドル(約207万円)収めなければならない。このクラブの顧客マリアナ・ベイダーさんは昨年、持っていたエルメスのケリークラッチに赤ワインをこぼされてしまった。バッグは30歳の誕生日に夫から贈られたもので、30,000ドル(約327万円)の価値があるという。ベイダーさん夫妻はクラブに対し数度に渡り弁償を求めていたが、一向に応じる様子がないため訴訟を起こした。

 

しかし、クラブは賠償を拒否。あろうことかワインをこぼしたウェイターに全責任を押し付け、彼を訴えたのだ。

 

ベイダー夫妻の弁護士アレクサンドラ・エリコは、クラブによる責任転嫁に「私も、私のクライアントも呆れています。今回の問題はウェイターとは何の関係もなく、私たちは彼に弁償してもらおうとは思っていません。雇用主が責任を持つべきです」とコメント。

 

雇用問題に詳しいルイス・ペックマンは地元メディア「ニュージャージー・レコード」の取材に対し、「カントリークラブの行動はまったくもって不適切であり、ウェイターは責任を問われるべきではありません。このような交差請求は聞いたことがありません。良い人材政策を取ろうとするならば、従業員の背中をナイフで刺すのではなく、背中を守るべきでしょうね」と語っている。

 

327万円を出し渋ったばかりに、アルパイン・カントリークラブの評判は急落。既存の顧客にも見限られる可能性が高い。

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