小児ICUで赤ちゃん抱っこし続けたボランティア、86歳で亡くなる
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米アトランタ小児医療センターの集中治療室(ICU)で、14年間にわたりボランティア活動を続けてきたデイヴィッド・ダッチマンさんが先週土曜、86歳で亡くなっていたことがわかった。地元テレビ局11Aliveが報じている。

 

長年従事していたマーケティング職からリタイアした2005年、ダッチマンさんは仕事以外に打ち込めるものを探してICUでのボランティアにたどり着いた。毎週火曜日は小児ICU、木曜は新生児ICUへ赴き、両親が不在の赤ちゃんを優しく腕に抱いて子守歌を歌いながら眠らせる。保育器から出られない赤ちゃんの場合は小さな手を優しく握り続けた。こうした触れあいが功を奏して赤ちゃんのミルク飲みが良くなったり、退院時期が早まることもあったという。我が子を見舞うために不安を抱えながらICUに日参する親の話し相手にもなった。彼はいつしか「ICUグランパ」と呼ばれ、赤ちゃんとその家族、そして病院スタッフにとってなくてはならない存在となっていった。

 

2017年にメディアがダッチマンさんの活動を取り上げると世界中で報じられ、日本でも知られる存在となっていた。

 

「ボランティア活動は、間違いなく彼の人生を豊かにしてくれたと思います。患者さんやその家族と触れ合う時間はかけがえのないものでした」とダッチマンさんの娘リリーさんは振り返る。

 

昨年秋から体調を崩し始めたダッチマンさんは、10月28日にステージ4の膵臓がんであると診断された。アトランタ小児医療センターは、ダッチマンさんの長年の貢献に敬意を表し、先週パレードを開催したという。NICUの輸送トラックに先導され、彼に抱っこされていた子どもたちや病院職員を乗せた30台にも及ぶ車列が自宅の周りを周回。クラクションを鳴らしたり手を振ったりして“病院のレジェンド”にエールを送った。

 

それから間もなくダッチマンさんは息を引き取った。

 

病院の広報担当者は「子どもたちの家族は、彼という素晴らしく偉大な人物と、彼が触れた無数の命を決して忘れることはないでしょう」とコメントしている。

 

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