「王室からの経済的独立を果たす」と米国に移住したヘンリー王子とメーガン妃が、離脱期限の1年延長を王室側に求める見込みだと英SUN紙が報じている。
SUNによると、王子夫妻は来年3月末の完全離脱をもって終了する王室による後援をさらに1年間続けてほしいと考えているという。
「王子は女王の95歳の誕生日や、祖父エディンバラ公の100歳の誕生日など、来年に控えているいくつかの行事に合わせて帰国したいと熱望しています」と語るのは、王室ジャーナリストのアンドリュー・モートン氏だ。
「イベントのいくつかはZOOMで行われるでしょうが、踏み込んだ話はやはり対面で行いたいようです。王子は皆さんが考えているよりもずっと頻繁に女王とコンタクトを取っているんですよ。今年1月に持たれた話し合いの時に比べると、対立する空気はずいぶん軟化しています」(モートン氏)
夫妻が高位王族からの引退を発表したとき、王室は完全なる離脱まで1年間の猶予を与えた。翻意して王室へ戻りたくなった場合の道筋を残しておくためだ。しかし、夫妻はカリフォルニアへ移住し、Netflixと1億ポンド、Spotifyと3千万ポンドで契約を締結。その様子から王室への復帰は今後もないと見られている。早くも商業的成功を収めたと言っても過言ではない夫妻だが、なぜ王室の支援に固執するのだろうか。
どうやら、夫妻は経済的な支援ではなく、王室との繋がりを絶ちたくないようだ。
モートン氏は、「ヘンリーは、今年1月の自身の行動をとても後悔しています」と語る。その行動とは、女王をはじめとする王族を激怒させた騙し討ちのような離脱発表だ。
王子には10年間の英軍への従軍経験があり、空軍の「名誉航空司令官」、海兵隊の「海兵隊元帥」などの名誉称号を持つが、王室の離脱をもって全て剥奪されることが決定している。現在も称号を保持してはいるが、名乗って仕事をすることは許されていない。軍隊との絆を大切にしている王子にとって、称号の剥奪は痛恨の極みだったと言われている。離脱までさらに1年間の猶予をもらい、その間に王室メンバーとの関係を修復し、称号を守りたいと考えていると見られている。
11月8日の戦没者追悼記念日には、花輪の奉納を申し出るも王室側から断られていた。そんな経緯もあり、失ったものの大きさを思い知らされたようだ。