英オックスフォード大学が運営する「Our World in Data」によると、米国では29日までに、対象者の40%が2回の新型コロナウイルスワクチンの接種を終えたという。
集団免役を獲得しつつある米国内で、様々な変化が起こっている。
ハンドメイドマーケットの老舗「Etsy」では、「Not a Republican, just vaccinated(共和党員じゃありません、ワクチンを打っただけ)」とプリントされたTシャツやピンズが飛ぶように売れている。既にワクチンを2回受けて公の場でマスクを外せるようになった人が、共和党支持者に多い反マスク主義者ではないとアピールするために買い求めているようだ。
逆に、テネシー州ナッシュヴィルの帽子店では「Not Vaccinated(ワクチンは打っていません)」と書かれた黄色いバッジを5ドルで売り出し顰蹙を買っている。バッジはあろうことか六芒星を象っており、ナチス支配下のユダヤ人が着用を義務づけられた星に瓜二つだ。店員がTwitterで「素敵なバッジができました!」と誇らしげな着用画像を投稿するや、「何を考えてるんだ? 最悪すぎる。胸が悪くなる。反ユダヤ的。鈍感すぎる。不快そのもの」などと批判が殺到し、店はTwitterアカウントを削除してしまった。地元在住のジャーナリスト、クリス・デイヴィスのツイートによると、実店舗にも「ナッシュヴィルにナチスはいらない」と抗議の垂れ幕が設置されたようだ。
また、FOX NEWSによると、カリフォルニアでは変わった罰金システムを導入したカフェが登場。
エントランスに掲げられたポスターには「マスクをしている人は代金に5ドル上乗せします。ワクチンを打ったと自慢する人も同様」と書かれている。このカフェの店主は一貫した反マスク主義者で、カリフォルニア州のマスク着用ルールに違反し続け、1万ドルの罰金を科された人物だ。一度は店を閉めたが、米CDCが「ワクチンを接種した人はほとんどの屋内環境においてマスクを着ける必要はない」と発表したことから、営業を再開。罰金の5ドルは慈善事業に寄付するという。
このようにワクチンの接種が進むと、各方面に様々な影響が出るものだ。ちなみに「Our World in Data」によると、日本の接種完了率は2.4%だという。