河川や湖に潜り、水底の清掃をしたり盗品や遺失物を探し当てる動画を配信するYouTuberのジェレミー・ボー・サイドが、未解決事件に光を当てた。
2000年4月、米テネシー州スパルタでエリン・フォスターさん(当時18)と、ジェレミー・ベクテルさん(当時17)が失踪した。スパルタ郡保安官事務所によると、二人一緒にフォスターさんの家から車で出発して以降21年間、行方がわからなくなっているという。
チャンネル登録者数約10万7千人の「Exploring with Nug」を運営するサイドが、11月28日にフォスターさんの自宅を訪れ、「ソナー技術を使ったスキューバダイビングで事件を解決したいと思います」と動画で宣言。
その後、フォスターさんの母親が、教会で会ったスティーヴ・ペイジ保安官に、「『Exploring with Nug』ってご存じですか? 実は……」とサイドからの申し出について相談したという。
保安官事務所のFacebookによれば、ペイジ保安官は「Exploring with Nug」の捜索動画を見て、サイドが見当外れの場所を捜索しているように思えたため、サイドに連絡を取り、二人が姿を消した場所を助言したという。
30日、サイドが川底に沈むポンティアック・グランダムを発見し、車内には人骨も残っていた。連絡を受けたペイジ保安官が現場に駆けつけ、沈んでいた車がフォスター家が所有していた車両であることを確認。
車はクレーンで引き上げられ、21年ぶりにその姿を現した。人骨はDNA解析と歯の治療記録の照会のため検視に送られたと、NBCニュースは報じている。
「二人はやっと家に帰れる。20年以上もあんなところで誰かが見つけてくれるのを待っていたんだ。嬉しいけど、いろいろな感情がごちゃ混ぜになってる。言葉もないよ」とサイドは動画の中で語っている。
ペイジ保安官はNBCニュースの取材に対して、車が見つかった場所のすぐ近くを捜索したこともあったが、結局見つけることはできなかったという。
NBCニュースは、現場はすぐ横を川が流れている道路で、21年前はガードレールが設置されていなかったと伝えている。失踪していた2人は、ハンドル操作を誤り、そのまま川に転落してしまったと捜査当局は見ているという。