ロシアによる侵攻が激化しているウクライナでは、命を守るために、続々と国外へ民間人が脱出している。そんな中、避難に連れていかれずに残されてしまった犬たちを保護するため、戦火の中で奔走するマリーナ・ディリーさんの奮闘を、英Mirror紙が伝えている。
ディリーさんは、自身の子どもたちをポーランドへと逃がした後、ウクライナ東部に位置する工業都市ドニプロに一人戻り、街をさまよう犬の保護を続けている。
彼女が運営する保護施設「シェルター・フレンド」では、この13日間で救助された数百匹の犬が養われているという。
「人々は動物を置き去りにし続けています。私の電話はホットラインになっていて、鎖で繋いだままにしたり、家に置いてきたりした犬を保護してほしいとたくさんの電話がかかってきます。
もう一つの問題はブリーダーですね。彼らはとっても“気前がいい”ので、仔犬を無料で譲ってくれるんです。今日も爆撃を受けたハリコフのブリーダーからロットワイラーの仔犬7匹が届きました」と、ディリーさんはMirror紙の取材に対して、皮肉を交えて語っている。
「シェルター・フレンド」のFacebookページには、保護された犬や猫の写真が毎日のように投稿されるが、その頭数には驚かされる。
犬の数は日々増え続けており、それと比例して食料や毛布、医薬品といった物資が底をつきかけているという。一匹でも多くの命を救うため、ディリーさんは広く寄付を呼びかけつつ、Mirror紙に今後の“夢”を明かした。
「私たちが勝って戦争が終わったら、まずポーランドに行って、私の子どもたちの面倒を見てくれている人たちにお礼を言います。
そして、子どもたちが無事に帰ってきたら、シェルターで保護している動物たちの里親捜しを一緒に取り組んでいきたい。
それも終わったら、去年計画していたように、シェルターに暖房つきの犬小屋を作って、より多くの動物たちを迎えられるようにしたいですね」