世界中の女性たちの憧れ、オードリー・ヘプバーン。そんな彼女の一人の女性としての人生に迫ったドキュメンタリー映画『オードリー・ヘプバーン』が現在絶賛公開中だ。
本作にも出演している長男のショーン・ヘプバーン・ファーラーさん(61)に、息子たちしか知らない母親としてのオードリーについて語ってもらったーー。
歴史に残る名女優であり、唯一無二のファッションアイコンでもあるオードリーだが、実はいちばん魅力的なのは、母親としての姿だったかもしれない。長男のショーンさんが本誌に語ってくれた思い出話からは、彼女がいかに愛すべき素敵なお母さんだったのかが伝わってくる。
「母とはいつも冗談を言って笑い合うような関係でした。テレビ番組のインタビューで僕のことを『これまで出会った中でいちばん優しい子』と言ってくれたときはとてもうれしかったですね。親子の仲は必ずしも良好なものとは限らないので、母と僕との親密な関係はとても貴重だったんだと思います。ただ、イタズラをしたときには、ベッドルームまで階段を駆け上がって追いかけてくるほど、怒られたりもしましたけどね(笑)」(ショーンさん・以下同)
そんな、セレブリティではなく一人の女性としてのオードリーの姿は、映画『オードリー・ヘプバーン』で垣間見ることができる。父親との複雑な関係や、度重なる離婚など、世界中から愛されていたはずの彼女が、愛を求めてもがき続けていたという事実には、とても驚かされる。
「弟のルカが生まれてから、再婚相手との関係が悪化して、母はかなりつらい思いをしていたようです。僕もまだ10代でしたが、そんな母に頼るのは申し訳なくて、早く自立しなければと考えていました。でもそれは、母が何事も自分で考えて判断するようにと、教育してくれていたからだと思います」
また本作には、ショーンさんの娘、つまりオードリーの孫にあたるエマさんも出演している。彼女が祖母について深く語るのは今回がほぼ初めてのことだそう。
「エマが子どものころ、2人でニューヨークのホテルに滞在したとき、彼女が英国風のアクセントでルームサービスを注文したんです。その姿が、母が『マイ・フェア・レディ』で演じたイライザと重なりました。母から僕、そして僕からエマへと、オードリー・ヘプバーンの遺伝子は、確実に受け継がれているんだと感じます」
【INFORMATION】
映画『オードリー・ヘプバーン』(公開中)。貴重なアーカイブ映像はもちろん、ショーンさんをはじめとする近親者たちへのインタビューにより、大スターであるオードリー・ヘプバーンの素顔が語られるドキュメンタリー。